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写真に必要なのは機材? センス? それとも?

「写真を撮る」

このシンプルかつ奥深い行為で、大事なものはなんでしょうか?

機材?
センス?
経験?
その場にいること?

どれも大事です。重要です。
そのうえで断言しますが、もっとも大切なのは「続けること」です。

「そりゃそうだろ」

そんな声が聞こえてきますね。
確かにありきたりな言葉です。
ありがちすぎる話です。

ですが、真実です。
わかっていそうで、みんなわかっていないことです。
少なくとも私はそう確信しています。

例をあげてみましょう。

それなりに長く写真を撮っていると「天才だ」「絶対かなわない」「こいつがいればいいんじゃないかな」という人に出会うことがあります。

写真に限らない。
絵画、イラスト、3D、小説、エッセイ、どの分野でも同じでしょう。
「明らかにモノが違う」という相手は確かにいます。

例えば、私がポートレートを撮り始めた頃。
SNSで作品を出し始めるなり、またたく間に人気爆発したカメラマンがいました。
当時は文字通りに絶賛の嵐、一時代を作ったといっていいでしょう。
いまならインフルエンサーフォトグラファーとして、各メディアで活躍していたかもしれません。

例えば私が小説を書いていた頃。
圧倒的におしゃれでセンスのいい作品を出し続けていた知人がいました。
プロット、タイトルセンス、言葉の選び方、すべてにおいてレベルが高く一線級のプロも絶賛していました。
あの頃に「なろう」があったら、ランクいりからの書籍化で人気となっていた可能性が高い。

現在はどうか。

前者は長く沈黙しており、音沙汰がない。
後者はすでに姿を消しており、連絡先もわからない。

彼らだけではない。
「別格」といえるだけの才能と存在感を示しながら消えていった人は本当に山ほどいます。

もちろん、別の活動をしているのかもしれないし、本業に集中しているのかもしれないし、単に飽きたのかもしれない。
私の知らないところで人生を存分に楽しみ、フィールドをかえて活躍しているのかもしれない。それはわかりません。

ここで大事なのは、「天下をとった」とまで言える状態にありながら、いまでは続けられていないということです。

逆に。

ぜんぜんパッとしなかったのに、気付けば実力も実績もずば抜けているタイプがいたりします。
それも一人や二人ではない。
考え、工夫し、続けている人は多かれ少なかれ前に進んでいる。
一家を成すとまではいかなくても、独自のポジションをとれているのですね。

写真に限ったことではありません。
「しょせんネットだろ」と笑っていい話でもない。

趣味にせよ仕事にせよ、あらゆる活動で似たようなことはあるのです。
「天才」「すごい」と持てはやされ、消えていった人、周りにたくさんいませんか?
少し考えるだけで、何人も思い出せるはずです。

では、この違いはどこからくるのか?
「すごい人」がなぜいなくなり、特に注目されなかった人がどうして結果を残せているのか?

答えはシンプルです。
継続できたか。
それだけなんです。

「続けるのが大事」

ありきたりです。
あまりに退屈であくびが出そうな言葉です。
うすっぺらい自己啓発本に書いてありそうだし、安い居酒屋でおじさんが説教していそうな話でしょう。
しかし、それでも真実と言わざるを得ない。

続けられなければ意味がないんですよ。

かのイチローはこう言っています。

「夢や目標を達成するには1つしか方法がない。小さなことを積み重ねること」(出典:『イチロー・インタビューズ』)

「話題になり、そのまま継続してビッグになった」がベストなのは間違いありません。

コロナ真っ最中にX(旧Twitter)で知り合った若い写真家がいます。
彼は印象的な写真を毎日投稿し、あっという間に人気爆発し、それでも継続して商業デビュー。
いまや押しも押されもせぬインフルエンサークリエイターです。
こういうパターンも確かにある。

ただ、彼らにしても継続している。
驚くほど精力的に活動を続けている。
そもそも、「話題になる」こと自体はそんなに難しいことではありません。
少なくとも不可能ではありません。
注目されて、人が集まってきて、そこで続けられるか、なんですよ。

続ける、というのはサイコロを振り続けるようなもの。
出目が悪くても、どこかでチャンスがめぐってきます。
確率は低くても、たまにとんでもないことが起きるんですよ。
あとはそのチャンスを拾えるかどうかなんです。

私も「続けていて良かった」「写真撮って発表していて良かった」となったことは一度や二度ではありません。

生きててよかった、と。
そうとまで思えることは日常ではあまりない。
あの瞬間のためだけに継続する価値はある、と断言できます。

「言ってることはわかるよ。でもさ、無理なんだよ! 仕事は忙しいし、やることも多いし、休みは疲れてヘトヘトなんだ!」

わかります。
気持ちは痛いほどわかります。

いまの世の中、みんな忙しい。
仕事は多く、情報は溢れ、毎日をやり過ごすので精一杯でしょう。
そんな中で「続けろ」と言っても難しい

なので、考え方を変えましょう。

頑張っては駄目。
意志の力に頼っても駄目。

「疲れてるし、つらいけど、それでもやらなきゃ」

そう考えている時点でもう間違いなんです。

必要なのは、「継続する技術」です。
誰でもできる再現可能なコツです。

これが意外なほど知られていない。
世の中には「続けるやり方」が溢れているのに、みんな気付かずにスルーしてし
う。だからこそ必要以上に消耗し、続けられたはずのものを続けられなくなってしまう。

では、具体的に何をすればいいのか?
どうすれば苦労せずに続けられるのか?

少し長くなってしまったので、このあたりの具体的なやり方については別記事で書きますね。
実用性重視でいくのでご期待ください。

では、本日はこのあたりで。

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