【お風呂小噺】美人の湯とはなんぞや?~泉質から選ぶ入浴法~
■美人泉質だけでも知っていてほしい!
このカピバラさんは、実は美肌狙いで入っていたりしますかね?
モテるには毛並みの良さとかもありそうですからね。
(ぐるぐるさん、お写真ありがとうございます!)
さてさてさて、温泉に行く理由は様々で、
リラックスのため、単なる入浴のため、自宅のお風呂が壊れたから仕方なくなどなどあると思います。
その中でも関心の高さがあるのが、美人の湯ではないでしょうか。
施設側としてもキャッチ―さがあるフレーズで、
恋愛成就を打ち出しているような神社のようなわかりやすさだと思います。
(神社仏閣も好きなので、決して馬鹿にはしてません。)
では、その美人の湯といわれる温泉って何なんだろう??
と、その前に美人の湯とはなんなのかですが、
基本的に『乳化作用』という肌の表面を溶かす作用を持ち、肌の角質をとったり、毛穴の汚れをとったりする石鹸のような働きをすることです。
ただし、温泉成分としての美肌への作用は認められていますが、適応症としては該当項目がないため、温泉分析上では美人の湯は存在していません。
しかし、温泉はどういった温泉に入っているかを自覚しているだけでもプラシーボ効果で違いが出てきますので、泉質を把握していてほしいです。
■三大美人戦士!+α
さっそく三大美人泉質といわれる3つを上げます。
これだけ覚えておくだけでもお風呂通と言えるようになるでしょう。
●炭酸水素塩泉
●硫酸塩泉
●硫黄泉
まず一つ目の『炭酸水素塩泉』ですが、
クレンジング効果をもたらすものとなっており、
特にナトリウムを多く含む『ナトリウムー炭酸水素塩泉(旧重曹泉)』は、皮膚の表面を軟化させる作用があり、皮膚病にも効果があるほどです。
代表的なものとして、関東近郊でも多い、黒湯があります。
二つ目の『硫酸塩泉』は、
肌の蘇生効果をもたらすものとなっており、
特にカルシウムを多く含む『カルシウムー硫酸塩泉(旧石膏泉)』は、
「傷の湯」とも呼ばれ、切り傷からニキビまで良いとされています。
有名な温泉地として、伊香保温泉や黒川温泉に多くある泉質です。
三つ目の『硫黄泉』は、
シミ予防の効果をもたらすものとなっており、
メラニンの分解や皮膚の角質の軟化溶解をしてくれて、アトピー性皮膚炎に効果があります。
腐卵臭による、いわゆる温泉を感じる泉質です。
この3つの泉質が、美人の湯と呼ばれている泉質で、
美人の湯と表記していたら、このどれかだと思ってもいいほどです。
ただ、このほかにもう一つ覚えていてほしいのがあります。
それは、人間の身体の表面は汗や汚れによって、酸性になっていると言われています。
その為、昔科学の実験でやったように、アルカリ性にて中和させてやることで、新陳代謝を促進してくれます。
三大美人泉質に加えて、
『アルカリ性単純温泉』(pH7.5以上)も覚えてください。
■美人泉質の落とし穴!!
美人泉質を4つ覚えていただいたと思いますが、一つ注意点があります。
古い角質とはいえ、角質が分解されたということは、肌の表面一枚がなくなったということでもあるので、肌からの水分が抜けやすくなります。
温泉の中に浸かっているときはいいですが、温泉から出れば、乾燥が始まっていきます。
特に『ナトリウムー炭酸水素塩泉』と『アルカリ性単純温泉』はクレンジング効果を持つものですので、入浴後すぐに保湿剤を塗ってください。
または、塩化物泉や硫酸塩泉の温泉は保湿効果があり、湯めぐりすることで肌の仕上げとなります。
入浴後、水分を取ることは必ず忘れないでくださいね。
クレンジングと保湿両方を備えた温泉ももちろんあり、
また次回紹介します。
■美人入浴法
最後に、美人泉質と注意点を理解していただいた上で、
実際の入浴法においても、一つ参考にしてください。
1.かけ湯をして、まず温泉に浸かる。
美人泉質では乳化作用がありますので、汚れが取れやすいようにします。
2.あったまたら、泡で洗おう。
十分に身体が温まっていれば、汚れが取れやすい状態のため、タオルでゴシゴシとしすぎないように、泡で洗うイメージで軽く洗い落としましょう。
3.上がり湯は、新鮮な温泉で。
泉質にもよるところがありますが、温泉は出た後も肌表面にまとって、効果を持続させてくれます。
水道水より少し冷ました温泉を掛けて出ましょう。
洗顔についても同様で、やわらか洗顔でお風呂を出た後も保湿剤を塗って、うるおいを保ちましょう。
ただし、近年はスーパー銭湯なども多く、周りの空気を読んで先に少し洗った方がいい場合もありますので、その時は軽く全体的に洗いましょう。
知って入るか、知らずに入るかでも大きな違いが出てきますので、
まずは泉質から。次に入浴方法や注意点にも気を付けながら、
実践していってもらえたらと思います。
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