「攻撃の優先順位」は怪しい

こんにちは。名古屋市でU-15世代を指導する24歳男性です。

表題の通り、僕は「攻撃の優先順位」という文言を見聞きすると、「あ、怪しい!」と思います。※個人的な見解です。
あと、一つ断っておくと僕はJFAの末端、地区トレセンスタッフにも参加させていただいております。
そのうえで、なぜ「攻撃の優先順位」が怪しいと思っているかを説明します。

サッカーというゲームの構造

まず、前提としてサッカーは「制限時間内により多く得点をしたほうが勝ち」という勝利条件があります。
つまり、より多く得点でき、かつ失点を最小限にとどめられるチームが強いです。それをどうやって実現する?という部分が戦術になります。

そして、戦術を考えるとき、得点の可能性と失点のリスクを天秤にかけるのですが、そのバランス感覚は指導者によって異なります。
各々のバランス感覚で局面に応じた基準を作り設計する、それがプレーモデルかと。
※ゲームモデルとなると話が複雑になるので省きます

局面において何が優先順位かを決めることなのかなと。
つまり、優先順位はプレーモデルによって異なります。

僕の中での局面の整理

ここで僕の局面の整理を説明します。
僕は攻撃・攻守の切替・守備・守攻の切替の4局面ではなく、保持と非保持の2局面で現時点では分けてます。なぜ4局面じゃないかと言うと、攻撃と守備が同時に現れる、というより、アクションには攻撃的・守備的意図が同時に存在するというほうが正確に伝わるかな。

例えば、ボールポゼッションには攻撃的意図(再現性のある攻撃etc..)と守備的意図(ボールを取り上げるetc..)があると思います。
ほかにも、前進はゴールに近づくだけでなく、自分のゴールからボールを遠ざけるといった意図があるかもしれません。それはチームによるし、意図によって前進方法が変わります。それがドカ蹴りなのか繋ぐなのかの違いの一つかと思います。

やっとこさ「攻撃の優先順位」の話

トレセンなどでよく下のようなことがあります。

テーマ「ビルドアップ」キーファクターの1つに「攻撃の優先順位」

ここまで記事を見ていただいた方なら察する方もいると思いますが、こうなると怪しいんですよ。
指導者のなかでどのようにビルドアップするかのイメージを聞いていくと、おかしく聞こえてしまいます。

僕の主張では前述のとおり、ビルドアップという手段には攻撃的な意図と守備的な意図が介在します。
そして、キーファクターである「攻撃の優先順位」(ゴールに近いところから優先して選ぶこと)でいくと、ボールをゴールに急いで近づけた結果、サポートがない、プレースピードがあがる、裏にドカ蹴り、間延びが起こります。

ビルドアップのイメージを聞くと
「相手を見ながらボールを動かして...」
というのですが、実際には結局ドカ蹴りになってしまいます。

その結果、相手にボールを渡す回数が増え、非保持の時間が長くなり、押し込まれ失点。負けた原因はビルドアップとプレスがはまらないこと!と言い、また同じループに陥る。

まとめ

僕の主張をまとめます。

  • そもそも、攻撃は攻撃だけで切れ取れない

  • 攻撃時(保持時)の優先順位はプレーモデルによる

  • ボールをゴールに急いで近づける前進方法は、ボールを自陣のゴールから遠ざけてるだけ

です。

最後に、書きながら感じたんですけど、「攻撃の優先順位」という言葉は保持時の「理想」を表しており、僕の言う「優先順位」はノルマのようなもので、最低限の約束みたいなものだなと思いました。
じゃあ、僕は「攻撃の優先順位」じゃなくてそれを「攻撃の方向性」と呼んでるのではないかと思いました。

は?意味わからんって人はぜひコメントをください。
よろしくお願いいたします。
おしまい。





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