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ポリネシアの人々の価値観 ③Foods

ポリネシアの人々のスピリチュアル観は食べることも含んでいた。ハワイ諸島は島なので資源が限られている。食料は命綱であり、農業や漁業に勤勉さと絶え間ぬ努力が必要だった。
食べ物に対して感謝を捧げないということは、自然からの恩恵を忘れ利己的な心の現れであると考えられていた。
オハナに食べ物を与えたら、人生における次に大切なものは「おもてなし」であると彼らは考えていた。ポリネシア人は「マニニ(ケチな人)」と人から言われるよりも飢えるほうを選んだと言われている。
人が集まればルアウ(宴)を開き、フラと食べ物で人々をもてなし、楽しみを共有したのである。もしオハナの中で争いが起こったら、フラを美味しい食事が大きな仲裁役になったということも大いにあったようである。

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また成人していくと、多くの人はイプ(水を入れるためのひょうたん)とウメケ(食べ物を入れる器、茶碗のようなもの)をもらうという伝統もあったと伝えられている。

ところでハワイの料理と言うと何を思い浮かべるだろうか?
今でもハワイアン料理というジャンルがあるが、パイナップルを使った料理だったり、ロコモコだったり、ガーリックシュリンプだったり、人によってはパンケーキだったり、アサイーボウルを思い浮かべる人もいるかも知れない。
しかし古代ハワイからの伝統的なハワイアンフードと言えば、タロイモをすりつぶして作ったポイだとか、マグロやカツオがタコなどをぶつ切りにして海藻やネギとあわせて味付けしたポケだとか、豚肉を蒸し焼きにしてほぐしたカルアピッグ、豚肉や鶏肉や魚などを葉で包んで蒸したラウラウなどが伝統的なハワイアン料理である。

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基本的な味付けは塩、ココナッツ(ミルク含む)など。あとは素材の味そのままで、ポイは発酵食品なので赤ちゃんからお年寄りまで食べられるスーパーヘルシーフード。移民の人たちが入ってきてからハワイの食文化は様変わりして移民がもたらした料理が主流になったが、それまではハワイの自然で採取できる恵みを感謝していただいていたのである。

自然と食はほとんど一体化している。それは今も昔も本当のところは変わりない。現代人は食べることは当たり前のことだと思っているが、どうやってその食べ物が目の前に提供されているのかを今一度考えてみれば、感謝せずにはいられない。
簡単、安い、手軽、長期保存ができる……実はそんなものほど人の体を蝕むものが大量に添加されているということも忘れてはいけない事実である。
食はお腹を満たすものだけではなく、愛をいただくものだということを決して忘れてはいけない。愛情がこもった料理ほどお腹だけでなく心も満たしてくれて健全な精神を育んでくれるのである。

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