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「楽しい」ことと「楽」なことは違う。

楽しいことを仕事にするといいという話はよく聞く。私自身も楽しくできることを仕事にしている。
楽しくないことはやらないほうがいいという言葉もよく耳にするし、私もそう人に伝えたりする。
しかし楽なことを仕事にするといいとか、楽じゃないことはやらないほうがいいとは一度も伝えたことがない。
使う漢字は同じだけど、意味はまったく違う。

ともすると人は楽なことをすればいいんだ、と勘違いをする。しかし人として生きる限り、死ぬまで「成長」し続けることが人間としてのミッションだと思う。残念ながら「楽」なことに成長は伴わない。
人の体が飛躍的に成長する思春期には「成長痛」というものを味わう。急な成長に体がついていかずに痛みを生じる現象だ。誰もが体験する痛みではないかも知れないが、少なからず体や心というものは痛みながらそれを越えて成長するのが常なのだ。
しかし楽なことにはこの痛みは伴わない。もちろん成長もない。
今の現状から一歩未知の世界に踏み出すことも、恐怖というある種の痛みを伴うだろうが心や魂が成長するには必要なことだ。

カードリーディングやカウンセリングセッションをしていると感じるのだが成長する痛みを避けてなるべく「楽」に人生を生きていきたいという人がいる。大きな夢や幻想を抱いて何ひとつ不自由することのない生活を「楽」に手に入れたいと思う人がたくさんいる。
それがダメなわけじゃない。その人の人生だから好きなように生きればいいと思う。でも同時に、もったいないなぁ、とも感じるのだ。

好きなこと、楽しいと思うことを仕事にするといいと成功した人たちは口々に言う。意識の高い人たちも同じようなことを口にする。
しかし彼らは誰ひとりとして、楽なことを仕事にするといい、とは決して言わない。
では好きなこと、楽しいことって何なんだろうか?
それはきっと「達成感」を感じること。苦労したけどやった甲斐があったと思えること。自分自身を誇らしく思えることではないだろうか。
当然そこには苦労も痛みも伴う。成長痛。
例えるなら山登りと一緒だ。朝早く起きる苦痛だったり、一歩一歩自分の足で山を登らなくてはならない苦痛だったり、途中なんでこんなことしなくちゃいけないのかと自問自答する瞬間も出てくるかもしれない。
しかし山頂に立った瞬間、そんな苦痛も一気に吹き飛ぶ。
それが達成感という余韻の長い人生を変えるような快感だ。

苦労して得たものは、その人の経験となり糧となり実となっていく。
それが成長するということだし、楽しいことの中身なのだ。
楽しいことワクワクすることを仕事にするといいということはそういうことだ。苦労や痛みは感じるけど、自分がそれを得た時に誇らしくなるようなこと。それを自分自身で探していくことが人生そのものだし、そのストーリーに人は魅了されていく。自分にとって痛みを伴ったとしてもやっぱりやりたいと思えるものは誰にでもある。それはあなたの心は知っている。
自分自身と向き合って、深く心に対峙して探してみる。
今のタイミングにとても必要なことだと感じるのだ。

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