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ハワイアンはどこから来たのか?

何万年も昔から太平洋の真ん中には小さな島々があった。火山の噴火によってできた島々の周囲1000㎞圏内には他に島はなく、大陸からも4000㎞以上も遠く離れていた。
島にまだ人の姿はなく、緑豊かな森にはカラフルな鳥たちが木の実をついばみ、清らかな清流をたたえた滝が川となって海へと注ぐ自然の恵み豊かな島だった。
穏やかな気候、そして輝く太陽の光は美しい砂浜を照らし、青く透き通った海は無数の魚、優雅に泳ぐカメやイルカなど、野生動物たちの楽園だった。

最初にこの名もない島に上陸した人々は、大型のカヌーでおよそ3500㎞の途方もない旅をしてきた海洋民族ポリネシアの人々だ。彼らは星の位置を読み解き、渡り鳥の動きを観察し、自然を味方につけて航海してきたのだ。
ポリネシアとはギリシア語で「多くの島々」という意味だ。その多くの島々の中でも、マルケサス諸島から来た人々が最初の上陸者だと言われている。

時代については諸説あるがおよそ西暦400年から600年頃、日本では邪馬台国が栄えていた時代。お隣の朝鮮半島では高句麗、新羅、百済が大陸を分けていた時代の話だ。
それにしてもなぜマルケサスの人々ははるか3500㎞の海を越えてこの島へとやってきたのだろう?海洋民族の性だったのか?海の向こうに何があるのかという単なる好奇心か?人口増加による新天地を求めてのことだったのか?
その理由は定かではない。どんな理由だったにせよ、彼らはこの未開の楽園にたどり着いた。その証拠に、古代マルケサス諸島の釣り針や石斧と同じ形状のものが古代ハワイの遺跡から出土しているのだ。

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そこから一気に900年が経過する。実はその間の出来事は不明。謎の時代。
西暦1200年頃、新しい民族がこの楽園にたどり着く。マルケサス人と同じポリネシアからの移民者タヒチアンだ。その距離なんと4000㎞以上。
カヌーで太平洋の大海原を漕いでやってきた、精神的にも肉体的にもタフな人たち。マルケサスの人たちよりも体格が良く、性格も攻撃的で荒々しい。
彼らは新天地を求めてはるばるやってきた二番目の民族だ。

彼らはこの楽園を住処とし、彼らの言葉で名前を付けた。
“Havaiki” ― 『ハヴァイキ』=天国、楽園。
結局、この言葉が微妙に変化していき、現在の "Hawaii"(正確にハワイ語で表記すると、"Hawaiʻi" ― 『ハヴァイィ』)になった。"Hawai'i" の発音についてはこちらの動画を参考に。
実は彼らタヒチアンは新天地に到着すると必ずこの名前を付けていたと言われている。その証拠にタヒチに属すソシエテ諸島のライアテア島も、かつてはこの名前が同じように付けられていたと言う。

彼らはこの楽園での生活に必要な植物を持ち込んだ。これらは原始ハワイの固有種とは区別され、彼らが持ち込んだ植物は「カヌー・プランツ(伝統植物)」と呼ばれ、22種類あり、今ではハワイの象徴的な植物になっている。

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太平洋の孤島に浮かぶ島々ハワイ。地球のパワースポットとも言えるこの島に人が移り住んできた理由は謎のままだが、訪れた人を虜にする「何か」は古代から脈々と受け継がれて、今もなお訪れる人々の心をつかんでやまない不思議な魅力を携えた波動の高い島々なのである。

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