見出し画像

サーフィン。

波乗りはいまから3000年以上昔にポリネシアで始まったと言われている。
波乗りの描写は西暦1500年頃、チャントの中やペトログリフ(岩面彫刻)などに登場する。
文書としてハワイのサーフィンが記述されるのは、1700年代に入ってヨーロッパの探検家たちがハワイに訪れるようになってからのことだ。
サーフィンはハワイ語で 「ヘエ・ナル (heʻe nalu) 」 と言う。
ヘエ (heʻe) は 「滑ること」 、ナル (nalu) は 「波」 を意味する。

画像1

“サーフィンは王族のスポーツ” といわれるほど身分の高い人たちに愛され、所有するサーフボードによってその身分や階級がわかったようである。
彼らは一般人に比べて時間的な余裕があったため、海に出掛ける機会も多く、サーフィンも上達が早かったと伝えられている。
チーフたちの中にはみずからの権力を人々に知らしめるために、サーフィンで強さや機敏さを養ったという人もいたという。

ハワイ島のコナには 「クエマヌ・ヘイアウ」 という、ハワイで唯一波乗りの神(いるのか?)を祀っていると伝えられ、良好な波のコンディションやサーファーたちの安全を祈願したヘイアウがある。
ハワイにヘイアウ(祈りの場所=日本の神社のようなもの)は数多くあるが波乗りの安全を祈願したヘイアウはここだけのように思われる。
似たようなものに海洋民族であるハワイアンが「航海の安全」や「大漁」を祈願したヘイアウはあるが、波乗りを祈願したヘイアウは珍しい。
残念ながら日本の神社のように御守りやお札の類は販売されていないが、もしそのようなものがあったらきっと日本のサーファーたちはこぞって欲しがるのではないだろうかと思っている。

画像2

このヘイアウの向こうにはローカルのサーファーたちがたくさんいる。
サンセットの時間には太陽が海に沈んでいく風景がとても美しい。

カメハメハ大王の没後、1820年にキリスト教の宣教師たちがハワイにやってくるようになると、サーフィンは快楽主義的で時間の無駄であるという理由から、フラ同様、衰退の一途をたどるようになった。
しかし1900年代初め、デューク・カハナモクの貢献により、サーフィンの人気が復活。彼が国民的ヒーローになったことでサーフィンの魅力が世界中に知れ渡り、彼は「近代サーフィンの父」と呼ばれるようになった。オアフ島のワイキキに立つ彼の銅像はワイキキの象徴的な存在として立っている。
またワイキキの西、彼が育った場所の近くにはデューク・カハナモク・ビーチという彼の名が付けられたビーチも存在する。

画像3

近代サーフィンの父と呼ばれる彼はサーファーとしてとても有名だが、実はハワイから初めてオリピックに出場した水泳選手でもある。
彼はオリンピックに3度出場し、金メダル3つ、銀メダル2つを獲得し、ハワイ初の金メダリストでもあるのだ。

現在、サーフィンは老若男女、世界中さまざまな人たちに楽しまれるウォーター・スポーツとなった。サーフィンは、心身ともに日常のストレスを解放させ、自然と一体になることができる。単なるスポーツを越えて、サーフィンはもはやライフスタイルそのものだと感じる。
日本の武道のように、サーフィン道という魂がこもったハワイが誇る自然に学ぶ聖なるスポーツなように私は感じている。多くの有名なサーファーたちが人生にも共通する名言を残していることがそれを証明している。


もし気に入っていただけたましたらサポートお願い致します。クリエイターとしてさらに上を目指して頑張ります!感謝!!