誰かがいれば イライラの原因になる ひとりなら？ 自分にイライラするだろう 結局 イライラのタネは 自分の中にある イライラのタネは 芽が出るだろうか 水をやって 育てたら 何になるだろうか イライラのタネを 育ててみました 一週間ほどで 芽が出て ヒョロヒョロと 伸びてきました 日向に出して 毎朝 水やり 光をうけて ぐんぐんと 大きくなってきました 蕾ができたと思ったら あっという間に 真っ赤な大輪 華麗なダリヤ 思い通りにいかないジレンマ 身体も心
海の上に立っている 波が荒い 足元に爆ぜて散る白波 海の底深くからの声に 足を取られる 体幹に力を込め 一歩踏み出す もう一歩 次の一歩と 振り返ると 岬に立つ人影が こちらを見ている 見届けてくれ 無心な一歩を 無力な一歩を 見守ってくれ 無垢な旅を 日が暮れて 海が凪いできた 月明かりを辿って のんびりと 歩き続ける 水平線は永遠に水平線だ 岬の人影のことは忘れていた あの人は いつまで あの場所に 立っていただろうか 作品No.0027
茄子を冷たい水で洗う 蔕を落とす 蔕と萼の間で切り落とす 茄子の皮を剥く 剥かなくとも良い 縦に4本 縞目に剥く ゼブラが可愛い 茄子を輪切りにする ８ミリの厚さに切る 5ミリでは薄い 1センチでは厚い 茄子を水に晒す 晒さずとも良い 5分晒せば別嬪に仕上がる 茄子を拭く 水気があると油が跳ねる 危険 茄子を焼く フライパンにオリーブオイル大匙2杯 温まったら 茄子を整列 茄子の上からオイルを追加 蓋をする 茄子の両面に薄っすら焦げ目 白いお皿に上げる 卸したての
言葉を探している 無くした言葉を探している いつ誰に言われた？ 痛い？ 辛い？ 思い出せる？ 思い出せはしない そんな言葉は はなから無かった 優しく 愛しい 言葉だけ 響きは ぼんやりと 耳の奥に消えてゆき 覚醒させる なぜ 目をこらして いたのだろうか 探さなくても そこにあったのに 作品No.0002
金魚鉢に入りたかった 縁が波々の 底は平で 丸いガラス体 こちらからも向こうが見えて 向こうからもこちらが見える 眺めてる？ 眺められてる？ どっちがどっち ひらひらと 自由に舞っていると思っていたけど 窮屈だな こっち側 見上げた空は青い ひらひらと 金色の鱗粉を振り撒いて 跳びはねる 水をかいていた尾びれは 羽ばたく赤い羽だったんだ 作品No.0001
