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海の上に立つ …詩…


海の上に立っている
波が荒い
足元に爆ぜて散る白波

海の底深くからの声に 足を取られる
体幹に力を込め 一歩踏み出す
もう一歩 次の一歩と

振り返ると 
岬に立つ人影が
こちらを見ている

見届けてくれ
無心な一歩を
無力な一歩を

見守ってくれ
無垢な旅を

日が暮れて 
海が凪いできた
月明かりを辿って
のんびりと 歩き続ける
水平線は永遠に水平線だ

岬の人影のことは忘れていた

あの人は  いつまで 
あの場所に 立っていただろうか

作品No.0027


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