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「オタク48・46プロデュース公演ドラフト会議」を終えて(1/3)

 コロナウイルスの影響により、誰もが経験したことがないようなGWを迎える中、予定していた握手会やライブにも行けなくなり、自宅で暇を持て余したアイドルオタク有志が一堂に会し、「オタク48・46プロデュース公演ドラフト会議」が開催された。一堂に会するといっても、この状況下において、どこかの居酒屋にでも集合し、膝を突き合わせて選手を獲り合い、競合したらクジを引き合うわけにもいかないので、今流行りの「Zoom」を存分に利用させていただいた。

 まず、ドラフト会議の概要について記す前に、筆者の自己紹介から行っておく。この記事を読んでいただいている方々は、ほとんどが筆者のTwitter経由ではあると思うので、「今更」感はあるだろうが、何かの拍子にこのnoteにたどり着いてしまった方々が少しでもいると信じて、多少の枠を割きたいと思う。Twitterで筆者のことをよくご存知の方々のためにも、初出しっぽいどうでもいい情報を加えながら進めていく。

自己紹介

名前:いなば(筆者の身長が178cmであることに由来する)→実は177.6cm。若干のサバ読み。こんなところで見栄を張ってどうする。

年齢:28歳(今年で29歳)→ここは流石にサバは読んでいない。ルックスは30代後半。

特徴:アイドルオタク。小学校1年生でモーニング娘。にドハマりし、そこからアイドルオタク継続中。主戦場を転々としながら、現在はAKB48とHKT48がメイン。推すアイドルが揃いも揃って「生々しい」という謎の評価を受けることでおなじみ。

 と、筆者の自己紹介はこれぐらいにとどめておく。あとは筆者が指名したアイドルや楽曲を見て、なんとなくこういう人なんだろうなと想像していただけば幸いである。Twitterを見ていただければもっと話は早い。

「オタク48・46プロデュース公演ドラフト会議」とは

 というわけで、今回行われた「オタク48・46プロデュース公演ドラフト会議」の概要説明に移る。48グループの「著名人公演」をご存じの方であればイメージしやすいだろうが、簡単に言えば、「ぼくのかんがえるさいきょうのアイドルチームの公演」をドラフト会議で作ろうじゃないかという企画である。自分の好きなメンバー16人、自分の好きな楽曲を16曲集めて公演を作れるとすれば―――。そんなことを本当に実現させるには、今から大人気YouTuberにでもなって一発当てられれば可能かもしれないが、ほぼ不可能だ。筆者の好きな芸人のネタからフレーズを拝借するならば、「もう勝負は終わりかけている」のである。悲しいことに、オタクはどこまでいってもオタクなのだ。本当にプロデュース公演を実現させる方に労力をかけるぐらいなら、オタク仲間で酒を飲みつつ、仮想のアイドルチームを作って一盛り上がりするぐらいがちょうどいい。

 話が脱線しかけたので、ドラフト会議のレギュレーション説明に戻る。まずはメンバー版。今回このドラフト会議には6名のプロデューサーが参加したが、その6名で、公演を開催するにあたって必要となる、「16名」のアイドルを獲得していく。指名が他のプロデューサーと競合すれば抽選を行い、当選すれば指名が確定。外れたら再度アイドルを指名する。プロ野球のドラフト会議であれば第2巡指名以降はウェーバー制となるが、今回は第16巡指名まですべて完全入札制を採用した。

 第1巡指名はグループの縛りのない完全自由指名。第2巡~第11巡については、国内の48・46グループから各1名ずつを指名しなければならない。(ex. 第○巡はAKB48限定、第○巡は乃木坂46限定、等)第12巡以降は再び完全自由指名に戻り、16名を指名していく。楽曲版については、指名結果を含め別記事とする予定なので、そちらでレギュレーションの説明を行うこととする。

プロデューサーたちの本気、そして苦悩

 ここまで読んでいただき、こう思った方も多いだろう。「なぜそんな「内輪」のイベントをわざわざnoteに投稿して「外部」へ発信しようと思ったのだ」と。筆者もこの記事を有料にして一儲けしようと企んでいるわけではない。むしろ参加予定であったアイドルイベントが中止になり続け、尽きかけていた貯金は回復している。

 ではなぜか?答えは、「参加したプロデューサー全員が、想像以上に真剣であった」からに他ならない。確かに内輪で行ったイベントではあるが、皆本気でメンバーと楽曲を選考した。今から有名YouTuberになって、AKB劇場で本当に著名人公演として開催できるわけでもないのに。であるならば、この熱量をせめて文章にして残しておきたい。おそらく、筆者と読者の熱量差がこれほど乖離している文章は珍しいだろうが、最後まで見捨てずにお付き合いいただければありがたい。

 本題に戻る。16人のアイドルを指名するにあたり、「自分の好み・推し」だけで16人を選考するのであれば、そう悩むものではない。実際、オタク仲間でこのような「ドラフト会議」は何回か開催したことはある。自分だけが満足するチームを作るだけならば、その場のノリで指名することも可能である。ただし、今回は、詳細なレギュレーションの設定や、自らのプロデュース公演を開催するという条件をつけた「ドラフト会議」である。自らが真剣に考えた公演を、観客に見てもらい、満足して帰宅してもらわなければならない。初日公演の終演後、Twitterでエゴサーチを行ったときに、「クソ公演」「二度と行かない」などと書かれることは一生の汚点になるのだ。(くどいようであるが、これらの公演は実際に開催される予定はありません。

 こんな記事をここまで読んでいただいている方は、ほぼ「アイドルオタク」だろうという筆者の勝手な決めつけのもとで筆を進めているが、アイドルとは無縁の方がいる可能性もほんの少しだけ考慮しておき、簡単に説明すると、一口にアイドルと言ってもいろいろなタイプのメンバーがいる。「歌唱力抜群」、「とびきりに可愛い」、「ファンサービスが良い」、「ダンスが上手い」、「生々しい」といったようにタイプは豊富である。

 つまり、アイドルを16人揃えて公演を行うとなったとき、これらのバランスを考えてチームを構成しなければならない。公演とは、やはりライブパフォーマンスを見てもらうものであるから、歌が上手い子が必要だし、ダンスが上手い子も必要である。とはいえ、曲の間には簡単なMCもあるから、そこで場を回せるようなバラエティ力のある子も必要だろう。オンライン配信サービスであるDMMで公演が生中継されることを見越して、カメラ目線でファンにアピールするような子も大事だ。まあこの公演がDMMで生中継されることも一生ないのだが。

 とすると、自分の好みだけで16人を選んで、チームバランスが完璧に取れているという確率は相当低い。プロデューサーの好みだけで選べば、似たようなタイプのアイドルが集まりがちになってしまうからだ。プロデューサーはそのチームでも楽しいだろうが、プロデューサー1人のために公演を開催するわけではない。観客は、様々な嗜好を持ったオタク達だ。お目当てにしているアイドルがそれぞれ異なるのは当然である。公演の見方も、とにかく騒ぎたいオタクもいれば、彼氏面して好きなアイドルをじっと眺めていたいオタクもいるだろう。誰からも評価される公演を開催するためには、自分の好みのアイドルだけをスカウトするわけにはいかないのだ。

 つまり、「自分の推しメン」以外から、公演に必要なアイドルを調査しなければならないのである。おそらく、ほとんどのプロデューサーが頭を悩ませたのはこのフェーズであろう。先述したレギュレーションにより、各48・46グループから各1名は最低指名しなければならないという制限があるから、自分がよく応援していて、ある程度知識のあるグループ(筆者であればAKB48やHKT48)だけで16人を選考することはできない。

 ということは、自分がそれほど知識を持っていないグループについては、相当調べなければならない。「AKBグループなら顔と名前は全員一致するんでしょ?」と言われることがあるが、そんなことが出来る記憶力があるのであれば、今頃「アタック25」にでも出演して優勝しているだろう。餅は餅屋である。

 プロデューサーごとにアイドルの調査方法は様々だったと思う。ライブ映像を見る者、調査対象となるアイドルが出演しているバラエティ番組を見る者、はたまた、「あのオタクがおすすめしてたなぁ」と握手会終わりの飲み会の記憶を掘り起こす者、と例示すればキリが無いが、各プロデューサーが、相当な時間を費やしたことだけは間違いない。

 そのうえ、プロデューサーを悩ませたのは「ドラフト1位」の使い方である。再度の説明になるが、指名グループ制限の指名が始まる前に、「1人だけ」事前にグループの制限なく獲得できるのである。本来であれば、公演の「軸」となるアイドルを獲得したい。この指名で、グループの方向性が決まるといっても過言ではない。本家であるプロ野球のドラフト会議と同じく、競合覚悟でエースを獲得しに行くのか、それとも競合を避けて、独自路線の指名を行うのか、プロデューサーの采配も重要だ。

 参加したプロデューサーの中には、長い付き合いになる方もいれば、今回の企画が初顔合わせになる方もいらっしゃった。参加者全員が勝手知ったるオタク達であれば、相手の手の内もある程度わかったであろうが、そうではなかった今回の参加状況も、このドラフト会議を白熱させる一因となったように思う。やはり「公演」を作ると、そのプロデューサーの「個性」が出る。プロ野球のドラフト会議であれば、「6球団競合」などと、絶対的な能力を持つ選手には多くの指名が集まる。しかしながら、この「公演」を作るという作業は、「エース」を集めることだけが正解ではないというところが、本家にない奥深さであるように思う。

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 ここまで、ドラフト会議にあたってのプロデューサーの思考について長々と書いてきたが、まさか我がチームの指名結果を書き始めるまでに4000文字を要するとは思ってもみなかった。長くなりすぎたので、メンバーの指名結果は予定を変更して、次の記事としたいと思う。それまで、48グループ・46グループについてある程度の知識をお持ちの方は、「自分だったらどう指名するだろう?」と考えながら、次の記事をお待ちいただければ幸いである。

(次の記事の公開予定は5/6です。)

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