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"思考ツール"の活用!教材づくりで意識していること

こんにちは。やしろです。
今回は日々の教材づくりで
意識していることについて
紹介していきます。


テーマは、
「思考ツール(シンキングツール)」


今や当たり前のように
教育現場で使用されていますよね。


特に、
国語・社会・理科・総合での
活用が多いように思います。


私もワークシートで
かなり活用しています。


本記事では改めて、
思考ツールの活用方法と
自分の実践を紹介したいと思います。


また、思考ツールに関わる
購入本もさらっと紹介していきますね。


(1)思考ツール(シンキングツール)とは


思考ツールそのものは、
ただの紙に図形が
描いてあるものです。

『シンキングツール~考えることを教えたい~』(黒上・小島・泰山)より

しかし、
自分の頭の中にある
思いや考えを
視覚的に表すことができます。


"頭の中を視覚的に表す"

というのはどういうことか?


それは、
頭に浮かぶ
知識の断片まとまり
書き表すということです。


それらを書き出すことで、
客観的に見やすくなり、
新しい考えをもつきっかけ
にもなります。


「つながっていなかった知識と知識を
 つないでみるとどうなるか?」


というようなことを
考えられるようになります。


とはいえ、
思考ツールの種類は
多岐にわたります。

なので、
目的に応じて
使い分けるということが
大切です。


例えば、歴史の学習。


新しく入ってきた
情報を整理する時、
起こった順序で整理すると
分かりやすいです。

1467年 応仁の乱
1485年 山城国一揆

「応仁の乱」の余波が続き、
各大名同士で小競り合いが
収まらない状態になり、


山城国では、
守護大名の畠山氏が跡継ぎ問題が発生。


「山城国一揆」の遠因が
応仁の乱だったわけですよね。


では、これはどうでしょう?

1467年 応仁の乱
1485年 山城国一揆
1492年 コロンブスがアメリカ大陸を発見
1498年 バスコ・ダ・ガマがインド航路を発見

同じように、
起こった順序で
整理してみました。


しかし、
「山城国一揆」と
「コロンブスのアメリカ大陸発見」
は関係あるのでしょうか?


全くないです。


この場合だと
ただの断片的な知識の羅列
になってしまいます。


一方で、
「コロンブスのアメリカ大陸発見」と
「バスコ・ダ・ガマのインド航路発見」
は、大いに関係があります。


つまり、


"時間"
という軸で
順序立てることも
一つの考え方として
ありですが、


"背景"
という軸で
考えていくと、
別々にまとめた方が
良さそうですよね。


このように
種類が豊富だからこそ、
目的に応じて思考ツールを
使いこなしていきたいですね!

(2)私がよく使う思考ツール

① ベン図(藤原道長vs平清盛)

一つ目は、ベン図です。
目的は、「関係性」や「類似点」、
「相違点」などを洗い出すために
用いられます。


イギリスの数学者
ジョン・ベン (John Venn)
によって考え出されたことから
このように名付けられています。


例えば、
藤原道長と平清盛を
例にしてみましょう。


同時代に生きた
有名な2人ですが、
ベン図に整理してみると、
政治の特徴がみえてきます。

藤原道長は、
どちらかというと内政重視、
平清盛は、外交の視点も
取り入れています。


信仰する宗教の
違いもありますね。


しかし、
政治の実権の握り方には
共通点がみられます。


「娘を天皇のきさきにする」


ここは、
大きなポイントですよね!


また、藤原北家と桓武平氏は
ルーツは違えど、
元々、天皇家との関わりが
非常に強い家系ということも分かります。

藤原北家(ふじわらほっけ)とは、右大臣藤原不比等の次男藤原房前を祖とする家系。藤原四家の一つ。藤原不比等は、中臣(藤原)鎌足の次男。

桓武平氏(かんむへいし)とは、50代桓武天皇の子・葛原親王、万多親王、仲野親王及び賀陽親王の子孫である平氏を指す。

こういったことに
気づかせたい時に
ベン図はとても
便(ベン)利です!笑


今回は、人物の比較でしたが、
時代や文化などを対象に
整理してみるのも良いと思います。

② Yチャート(アジアの民族運動)

二つ目は、Yチャート。
目的は、一つの事象を
「多面的に見る」ことです。


他にも、
W、T、Xチャート
なんていうのもあります。


Yチャートは、
形で分かるように、
三つの視点に分けること
ができます。


社会科で「見方・考え方」を
養っていくためには、
最適のツールだといえます。


以前、X(旧Twitter)でも
紹介しておりますので、
参考にしてみてください!

この実践では、
最終的にYチャートに
整理したものの中から
共通点を探し出しました。


このようにすることで、
中国、朝鮮、インドで起きた
「アジアの民族運動」の特色を
理解することができます。


視点については、
学習内容に応じて
自由に設定して良いと思います。


Yチャートを使用する際は、
余白を大きめにとって
ワークシートを作成するのを
推奨します。


Yチャートが使えない時や
他のチャートの使い方は
こちら↓を参考にしてみてください。

③ ピラミッド・チャート(江戸時代を支えたもの)

三つ目は、ピラミッドチャートです。
目的は、「焦点化」や「構造化」です。


一般的なピラミッド・チャートは
このような形をしてますが、

私がよく使用するのは
「逆ピラミッド・チャート」です!


これは勝手に
私が命名してます。笑


江戸時代の学習で
よくある問いの例として
「江戸時代が約260年続いたのはなぜか?」
があると思います。


私が以前行った授業では、
"江戸時代を支えたもの"
を逆ピラミッドチャートに
構造化させるという使い方をしました。

ある生徒の回答

下にいけばいくほど、
より重要な核の部分
が見えてくるということです。


そして、必ず
「なぜこのような逆ピラミッドにしたか?」
と理由も考察させることが大切です。


幕藩体制や武家諸法度などが
江戸時代や江戸幕府を支えた
根幹であり、


それは、
"御恩と奉公"の考え方
と同じだということに
気づかせたいです。


鎌倉時代からの武士の教えが
江戸時代まで続いてるんですよね。


また、時代の流れで
その都度、改革があったことも
(一時的に)効果があった
と考えることもできます。


このように、
学習したことを構造化して
可視化するには、
ピラミッド・チャートが
最適だと思います。


一般的な使い方については、
コチラ↓を参考にしてみてください!

(3)書籍紹介


思考ツール関連での
オススメ本を紹介します。


私が実際に購入した2冊です。

実際の授業実践とともに
思考ツールの活用が
分かりやすく書かれているので、
とても読みやすかったです!


より具体的なイメージが
沸くと思います。

(4)おわりに


今回、色々と実践を
紹介させてもらいましたが、


「思考ツールはあくまでも手段」


ということを忘れては
いけません。


整理しただけで
満足するのではなく、


「その結果、何がわかったか?」


が大事です!


そして、
もっと欲をいうならば、


最終的には、子どもたちが
自らツールを選択して
学習を進められたらいいですよね!


その前段階として、
こちらから当たり前のように
思考ツールを活用していく
というのが良いと思います。


是非みなさんも
色々な思考ツールを
試してみてください。

最後までお読みいただき、
ありがとうございました。


次回の記事も
お楽しみに!



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