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【小説】悩める剣士

 例によって某所のお題を受けて書いたものです。

「お命頂戴する」

 差し出された手があまりにも醜くごつごつとした紫肌のものだったので、そういえば私は何をと醒めたわけである。

 そこからは一瞬のことで、頭より身体が先に動いて腰の剣を抜き取り振るう。私の腰を起点として、ひとつまばたきをする間にざっと四閃は輝いて、遅れて命尽きる鮮血の雨が降る。

 相手がいくら私を警戒していたところで防ぎようのな

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