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読書日記『スピリチュアルズ「わたし」の謎』(橘玲,2021)

Twitterで見かけ、表紙が気になっていたので購入してみた。

題名からして、魔法や占いをイメージしたが、全然違う!どちらかというと科学寄りの本だ。ここでのスピリチュアルとは、「心理学でいう『無意識』に『魂』を重ね合わせた言葉」(p4)だ。実は「わたし」というのはほぼ全てが無意識で、無意識を理解することが「わたしは何者か?」という疑問を解決することになるという。

この本では、「わたしもあなたも、たった“8つの要素”でできている」ことを「スピリチュアル理論」と名づけ、この理論を統一的に記述している。

この「8つの要素」の素地になっているのは「ビッグファイブ」と呼ばれるものだ。附録でビッグファイブの簡易的な検査が載っていたので、引用してみる。

以下の性格を表す文①から⑩に、1から5の点数をつけてください。
1点=強く反対する
2点=少し反対する
3点=賛成でも反対でもない
4点=少し賛成する
5点=強く賛成する

①能動的な想像力をもちあわせている(  )
②芸術への関心はほとんどもちあわせていない(  )
③ていねいな仕事をする(  )
④なまけがちだ(  )
⑤一般的に信頼できる(  )
⑥他人の欠点を探しがちだ(  )
⑦ゆったりしていて、ストレスにうまく対処できる(  )
⑧すぐにくよくよする(  )
⑨外に出かけるのが好きで、社交的だ(  )
⑩遠慮がちだ(  )

p372-373

次に、奇数番号から偶数番号の点数を引いて、各要素のスコアが-4から+4で出る。
経験への解放性:①-②=(  )
堅実性:③-④=(  )
協調性: ⑤-⑥=(  )
情動の安定性:⑦-⑧=(  )
外交性:⑨-⑩=(  )

どうだったろうか?

本書によると、「成功するパーソナリティ」とは、「高い知能」+「高い堅実性」+「低い神経症傾向(精神的安定性)」(p362)だそうだ。
一方で、意志の力によって成功するパーソナリティに作り替えることはできなくはないが、弊害も生じるので、自分のパーソナリティを知り、それがアドバンテージになるような場所を探すのが良い、という結論で終わった。

もし自己診断で極端な値が出たり、あるいは自己理解を深めたいと思っている人には是非読んでもらいたい。また、性差に関する研究も多く紹介されているので、ジェンダーに興味がある人にもオススメだ。


読了日:2022/11/19

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