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The Kimba Unit - Colors
Sun RaとイタリアのSonor、スピリチュアルジャズとライブラリーミュージック。絶妙な組み合わせと落ち着いた聞き応えある素晴らしいサウンドだった。以前、時折サウンドクラウドで見かけたラウンジ色の強いノベルティーミュージックと比べるとアート性が高まったように感じる。その辺りは非常に興味深い。
LoFi気味の静かなフィールドレコーディング風ピアノのループから始まるWalkは手法こそ従来と変わらないものの、彼らの軽妙さにシリアスさが加わったような質感が素晴らしい。大きな展開はなく静かにアンビエントスケープに埋もれていく作りが心地よい。
Walkのテンションのまま続くBackはシンプルな2音で、すなわち最低限の旋律で構成されるリズムを兼ねたテーマが繰り返される中に、アルペジオや副旋律が交差する。あくまで淡く環境音の中に溶け込んだ静謐なトラックだ。一転して、Oxは粒立ちの明確なサウンドで構成されていてこの切り替わりは彼らの軽妙さの表れかもしれない。
中盤のAwayは複数のピアノフレーズが折り重なったループ構成がとても映像的で美しい。ノンビートを基調にした本作中ではあまり登場しないドラムトラックがここでは効果的に使われている。この辺りはニューエイジやバレアリックサウンドにもつながるように思える。あらゆる音楽に接続可能な柔軟性とその一方で自身のアート性を活かした不思議なバランス感覚をもったアルバムだと覆う。
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