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オーニソロジー - 101

辻村泰彦によるソロユニット、オーニソロジー名義のアルバムで2018年リリースになる。菊地成孔プロデュース作品を数曲発表した後のアルバムになる。東京ザヴィヌルバッハがバックを固める等、シンプルな編成の中にジャズ、ソウルのラジカルな部分を持ちつつ、倍音の多いボーカルスタイルは日本のネオソウルの王道スタイルにも思えるバランスのとれた仕上がりだと思う。

エレタメモアはスウィングのかかった心地よいメロウスタイルのバンドの演奏が素晴らしい。ギターのオブリはジャジーでコード進行はシティポップ風でもあり渋谷系的な部分もあり、音色に派手さはないがその質感と世界観に引き込まれる。

Brocken Spectreは、アップテンポで力強いギターが牽引するスタイルだ。ブリッジ部分で登場するワウギターと自在なメロディーがそのままギターソロにつながっていくところ等、バンドの表現力が心地よい。cycleではファルセットを含むコンテンポラリーなボーカルスタイルが印象的だ。

Spank Happyを迎えた変なファンデーションは、不思議なコード感と変拍子の菊地成孔カラーが前面にあらわれる楽曲だがギターのフレーズとコーラスが入り混じる中盤のプログレッシブな展開が素晴らしい。坂本龍一のカバー、Thatness And Therenessはオリジナルのインパクトが強いだけに難しい選曲な気がするがここではメロウジャズ風にアレンジする中で自由な息遣いの下に歌われており、スタンダードナンバーを聞いているような気分になる。

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