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The Carla Bley Band - Musique Mecanique

ジャズオーケストラのフォーミュラとポップスの枠組みを自在に行き来するアレンジャーとしての面白みが込められた1979年作品。チャーリーヘイデンの酸化でリベレーションミュージックオーケストラのような側面もあるアルバム。この後、カーラブレイは名盤と言われるアルバムを立て続けにリリースすることになるがその前夜とも言える時期の作品。

冒頭の440はオーケストラの幕開けのようでもあり、次第にさまざまなパートが和声とテーマを打ち出していくとその後は、プログレッシブな室内楽を思わせる細やかなアレンジに彩られた演奏を軸に随所にはさみこまれたソロ等、多様なスタイルが入り混じるがテーマの変奏アレンジが素晴らしい。

Jesus Maria and Other Spanish Strainsは静かに進行するピアノからドラムにリズムを受け渡すつなぎがとても印象的だ。コミカルな瞬間もありつつフリーキーでシリアスな瞬間もある。後半のホーンのフリーなソロとソロを支えるマーチングドラムの組み合わせに引き込まれる。

3部構成組曲のタイトル曲はチャーリーヘイデン色もありつつ詩情を多く含んだ楽想がとても良い。パート2は時を刻む音に合わせてオペラ調のヴォーカルがオルガンをバックに歌うインパクトの強い楽曲だがその流れを汲んだパート3の圧巻の演奏は計算されたアレンジとフリーキーなエネルギー、後半のループを模したコミカルなアプローチを含めて聞き所が多い。

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