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Everything But The Girl - Eden

本作は1984年に発表されたエブリシングバットザガールのファーストアルバムだ。マリンガールズのメンバーとベンワットの気まぐれなコラボレーションが結果としては様々な音楽を引き出していく事になるが、1990年代のサウンドから何の違和感なくつながる素晴らしい2023年の新作も辿るとこのファーストアルバムにつながっていくように思う。そこにはある種のポストパンク的な姿勢のようなものが見え隠れするような気がしている。

Tender Blueは、ブラシによるジャジーなドラムのアプローチにベースとギター、シンプルな歌のメロディーが乾いたバラッドを盛り上げていく。ネオアコースティックという枠組みは後から振り返ればそうなのだろうが、1984年時点でこれらのアプローチがどのように受け止められたのかは興味深い。

Another Bridgeは、インディーギターポップの王道をいくようなアコースティックギターのストロークとオルガン、アップテンポのリズムで構成されているが、やはりどことなく乾いたメロディーがある種の勢いを抑制する存在感を示していて面白い。

最後に収録されているSoft Touchはマイナーコードや半音階の上昇下降をうまく活かした素晴らしい楽曲だ。転調を繰り替える初期のプリファブスプラウトにも似た屈折感を持ちながら透明なEBTGの後々までのイメージも湛える静かだが存在感のある1曲だと思う。

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