見出し画像

高橋幸宏 - tIME aND pLACE

1984年に発表されたライブ盤。1980年代前半の高橋幸宏の代表的な曲が収録されていることと参加メンバーの力量で楽曲面からも演奏面からも魅了される仕上がり。デビッドパーマーやビルネルソン、立花ハジメ、鈴木慶一等、高橋幸宏作品を支える馴染みのメンバーのサポートに高橋幸宏の柔らかなボーカルがとても心地よい。

蜻蛉は浮遊感あるイントロからはじまるエイトビートがこの頃の高橋幸宏の王道のようなリズムで、日本語歌詞と憂いを帯びたメロディーを含めてとても淡い仕上がりが素晴らしい。とても端正な仕上がりでライヴであることを忘れそうになる。

Drip Dry Eyesはオリジナルを限りなく尊重した演奏が素晴らしいが、Sandiiによるボーカルが楽曲に新しいアプローチを加えている。高橋幸宏ともユニゾンのサビメロディーはとても繊細で美しい。また立花ハジメによるサックスソロは非常に流麗でこの頃のラジカルなソロ作品とは対照的なアプローチをみせるところが面白い。

It’s Gonna Work Outはエレクトロ色の強いオリジナルと比較すると生演奏のグルーヴが前面に押し出されているが、不思議と高橋幸宏のボーカルは抑制されていてそのためにどこか冷めた感触に覆われている。その組み合わせが素晴らしい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?