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Tomutonttu - Kevätjuhla

フィンランドで活動するミニマルエレクトロニカミュージシャンによる2017年作アルバム。本作もこれまでの作品同様に膨大なトイ楽器やチープトロニカ周辺のサウンドを散りばめつつ、マックスツンドラ以降を思わせる線密な音の積み上げで世界観を構築している。

冒頭のHiukkasen TahtiimはまさにこれまでのTomutonttuを集約したような煌びやかな音選びが素晴らしい。それらを細かく組み立てていくなかでペリー&キングスレイ的SEからリズムを組み立てる手法は聴いていてとても心地よい。かろうじて示されるコード感が非常にミニマルなのでそのバランスも面白い。

Kuninka Yoはボイスサンプルもはさみつつ、ドローンノイズ化したサンプルエディットや電子音をループ状に組み合わせたコラージュ作品。コラージュの移り変わりの中でコード変化をつけるアプローチはとてもエモーショナルで美しい。

Kuinka Voin Auttaaは、スロウテンポのリズムが続く中にミュートギターやリズムを支えるベース等、スタンダードな音の組み合わせだ。この組み合わせの中で奏でられるTomutonttuのサウンドはどこかブライアンウィルソンのような雰囲気がある。

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