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Charlie Charlie It’s Raining - It's Not Raining Here Yet

プログレッシブロックというと長尺なトラックを思い浮かべるがCharlie Charlie It’s Rainingによる2024年リリースの本作は3曲トータルで3分弱という極めて小さな世界の中でプログレッシブロック色を感じさせる作風を披露している。その一連の作品群はロックインオポジションやカンタベリーサウンドとポストパンクのミクスチュアを連想する。

冒頭のSatelite Aは、本作中最もNuJazzやメロウフィーリングを持ちつつ、一方でフリーなクラリネットや変拍子とブレイクを多様したリズムが印象的な1曲だ。この曲では、管楽器はほぼ調性を持たずフリーに演奏されており、それに対してベースとギターのユニゾンでテーマが演奏される。続くブリッジではそこにかろうじて管楽器がユニゾンフレーズをサポートするがこの役割分担が面白い。

Chipsrockは、パワフルなドラムが素晴らしい。管楽器はミニマルなフレーズに徹しており書くパートが各々の幾何学的なパターンを演奏している。それらは極めて有機的に配置されており、中間部でオルガンとドラムのフィルがそれら管楽器の幾何学性を制止する構図が印象的た。

Before Plantsは、無調を意識しつつ一定の和声と調性を提示する20世紀初頭の音楽スタイルとアッパーなビートに深いエコーや唐突なフレーズの連鎖など彼らの持つあらゆるアプローチが詰め込まれている。そして畳み掛けるフレーズは突然集結を迎える。全体通してどれも極めて短い曲ばかりだが音楽的な情報量が多く密度の濃い仕上がりを感じさせる。

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