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Nicolas Schoffer - Hommage A Bartok
レトロ電子音楽系のレコードで時々話題になる1979年の本作はオートマティックな演奏等、今に通じる発想でコンテンポラリーなテーマに向き合ったいわゆるサイバネティックなアルバムだ。ハンガリーで抽象オブジェの制作を続けているニコラスシェフェールが幼い頃に聞いたバルトークの音楽の影響を自らサウンドにしたものとされている。音楽表現は本作が唯一の作品になる。
Chronosonor 1-2は、複数のボリュームレベルが設定された電子オルガンのインプロビゼーションのような作風で、断片的に細かなパッセージが織り込まれている。ただし大きく盛り上がるような構成は取らず、様々な音が淡々と組み合わされていく印象だ。この辺りは彫刻家としての感性のサウンドでの具現化ということかもしれない。
Chronosonor 3は、レンジの狭いエモーショナルなインプロビゼーションから始まる。ドローンや低音等、1-2との比較ではサウンドの役割が広がっているところが興味深い。冒頭の細かなパッセージは終盤のエンディングのドローン配置の手前にも登場して全体を支配するモチーフになっていると感じる。
Percussonor 1-2は、アルバムラストのトラックだがフリージャズ的なアプローチがポールブレイのシンセサイザーショウを連想させる。終盤には細かなシーケンスフレーズが挿入されておりこのラスト数分はコンテンポラリーなエレクトロニカにも通じるサウンドがはさみこまれていて本作中もっとも聞き所の多いトラックだ。
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