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HOME - S/T

以前、その時点で配信されていた唯一の曲「Lucy」とそのMVについて書いた。HOMEはその後、いくつかの楽曲を発表したのち5曲入りの本作を2023年に発表した。最初に配信されたLucyを含めてどれもポストパンクからの流れを感じさせるインディーシーンの良さが凝縮されているが、一方でそれらに留まらない、あるいは元々持っていた要素かもしれないが、音楽的な幅広さも感じさせる素晴らしい仕上がりだ。

冒頭のLucyは以前紹介した通りだがあらためて聴いても衝動と繊細さを併せ持つ美しい楽曲だと思う。続く常時はリバーブの効いた16ビートに硬質なベースの組み合わせがポストパンク直球のアプローチだが、やはりエモーショナルな歌詞と歌が奥行きを与えている。その組み合わせが素晴らしい。サビの憂いを帯びた雰囲気はとても美しい。

愛のうたは恐らくライヴでも圧倒させる雰囲気を湛えるであろう、R&Bの流れを汲んだメロウさを併せ持つサウンドだ。前2曲からの流れで非常にインパクトがある。こういった要素が歌そのものと共にこのバンドに奥行きを与えているように思う。

最後のlululuは意外にも3連のバラッドで、楽曲もシンプルに演奏を響かせつつその上で歌が気持ち良く旋律を紡ぐ。随所に挿入されたコーラスに呼応してファルセットや高音を伸びやかに歌い上げるボーカルにが素晴らしい。終盤に向けてギターのノイジーなソロがポストパンク要素を揺り戻すかのように縦横無尽に駆け巡る構成がとてもいい。これによって思わず再び冒頭からEPをリピートしてしまう。

(以下、以前書いたHOME - Lucyのnoteです)


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