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Kurt Vile - (Watch My Moves)

ベルベットアンダーグラウンドのトリビュートが印象的だったが今作ではブルーススプリングスティーンのカバーに取り組んでいる。意外な気がするのはスプリングスティーンのある種の繊細さはカートヴァイルにも同質な部分があるのかもしれない。サウンドの心地よさと淡々とした世界観が心地よい作品だ。

シンプルなピアノにリラックスした歌が乗るオープニングのGoin in an Plane Todayは、ニールヤングのハードオブゴールドを聴きながら彼のために気分を上げていくよ、というような歌詞が面白い。飛行機に乗るよと歌うこの歌はそのまま、次の曲、Flyinに続く。

Flyinは、前の曲で淡々と歌われた世界から比べるとかなりサイケデリックな世界観が歌われている。静かな飛行機、やがてたどり着くまであっという間というような歌詞と穂脳が燃え上がるというような歌詞が渾然一体としている。ギターとパーカッション混じりのリズムが抑制の効いたエイトビートを刻み、朴訥としたメロディーとゆらめくギターのアルペジオがとてもサイケデリックな世界を描く不思議な曲だ。

Mount Airy Hillは、メジャーコードのシンプルな進行の中でゆらめくギターのアプローチが素晴らしい。フックに入ったところでカートのファルセットが効果的にあらわれる。その浮遊感が素晴らしい。スプリングスティーンのWages of Sinは粗いアコースティックギターの音とエコーに包まれたボーカルでサイケデリックな余韻を持たせた素晴らしいカバーだ。

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