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Don Cherry - Organic Music Society

ドンチェリーが1970年代前半に行った北欧ツアーの様子を収録したアルバム。テリーライリーの作品やファラオサンダースの作品など、ドンチェリーへの影響を窺い知れる選曲が素晴らしい。声やさまざまな楽器と環境音が入り混じる空気感をそのまま表現したようなモキチェリーによるカバーアートも素晴らしい。

冒頭North Brazilian Ceremonial Hymmは、タイトル通り極めて儀式的な様相の漂うドローンとパーカッションに乗せた声が印象的だ。短いパッセージがHymmのテーマになっていてこれを繰り返す。その中でバックにさまざまな音が鳴り響く。

Relativity Suiteは、エスノジャズ色の強いリズムに合わせてボーカルが踊るように歌う。ミニマルなグルーブに合わせた歌はとてもシャーマニックに響く。続いてテリーライリーのTerry’s Tuneはジャズフォーマットの中でやはりミニマルに繰り返されるテーマとそのバックのインプロビゼーションという組み合わせがごく自然でバンドの充実を感じる。

Utopia and Visionsはそのタイトルからもメッセージ色を感じるが、ジャズフォーマットの中にスピリチュアルフィーリングを詰め込んだアプローチが抑制された状態で続く。終盤のピアノとドラムによるフレーズの連鎖にバンドが静かに呼応する様が圧倒的だ。

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