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Eddie Gale - Eddie Gale’s Ghetto Music

ブルーノートの中ではかなりラジカルな、ESPにも近い世界観を感じる1968年作。サンラの下でセッションに参加するなどフリーなアプローチを続けていたがUnit Structuresに参加したことでセシルテイラーとのつながりからか大きなレーベルからのデビュー作発表になった。フリーフォーク的な要素やスピリチュアルなコーラスも多く、またアルバムタイトルからは強いメッセージがまさに1968年、おそらく公民権運動等、リアルタイム性を感じる。

冒頭のThe Rainは、アコースティックギターと女性ボーカルから始まる。ワンコーラス歌い終えると、コーラスを従えて、力強いドラムとベースがリズムを支える展開、続いてエディゲイル自身のプリミティブなトランペットがラッセルライルのテナーサックスとユニゾンで演奏するテーマに続く。この急進的な盛り上がり方が素晴らしい。中盤からのソロはバックにコーラスのフレーズが続き、パーカッションの連打が続く中で繰り広げられる。圧倒的な展開だ。

Fulton Streetは、掛け声から力強いドラムのフィルイン、静寂と高速フレーズの組み合わせが非常にインパクトをもって迫る。やはりここでもコーラスが奥行きを持たせている。ソロはパワフルなドラムに高音から掛け合うように詰めていくアプローチが素晴らしい。

A Walk with Theeは、マーチングドラムとマイナーコードの間を縫うようなトランペットとコーラスのユニゾンによるタフなテーマが印象的だ。トランペットもテナーサックスもソロは意外にもストレートなジャズアプローチで、いあらためて多様な可能性を秘めた人だと感じた。ソロ明けのマーチングドラムでテーマに戻る瞬間が印象的だ。

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