![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/119997126/rectangle_large_type_2_65b30ca3f09d1f1ce680d36fe67ac7fd.png?width=800)
Daniel Caesar - Never Enough
ゴスペルの流れを汲んだ歌が素晴らしいダニエルシーザーの2023年作。Covid-19の影響もあり制作はほぼ一人で行われたとインタビューで語っている。非常に内省的でフォーキーなサウンドはカントリーからの影響もあるとのこと。自身のルーツに向き合った静かなオルタナメロウアルバムだ。
冒頭のOchi Riosは静かに幕開ける。ファルセットを活かした導入部分から柔らかなギターとコーラスに続きリズムが入るがシーンの切り替えがオルタナソウル的でもあり多様な音楽からの影響を感じる1曲だ。Tronto 2014はカントリーとゴスペルを織り込んだようなサウンドの仕上がりが素晴らしい。
Let Me Goはシーザーのボーカルを堪能できる伸びやかなメロディーが素晴らしい。90’sソウルを思わせるリズムアプローチに静かなコーラスのシンプルなバックを活かした歌がとても美しい。続くDo You Like Me?はメロウなチカーノソウル色の強いコード進行が美しい。
本作のピアノの質感はどの曲も柔らかく淡い音を捉えていて素晴らしいが、Coolはもっともピアノの淡さを捉えていると思う。シンプルなコードアプローチを淡々と進めるピアノに細かなパッセージとシルキーな美しさの両方を使い分けてコーラスで表現する歌と入り混じるエコーや終盤のストリングスも含めて静謐な展開が素晴らしい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?