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Brent Cordero & Peter Kerlin - A Sublime Madness
本作はニューヨークで活動するPsychic Illsと、Sunwatchersという二つのバンドのメンバーのコラボレーションで2023年のリリース。Astral Spiritsからのリリースだがスピリチュアル色はそれほど高くない。Brent CorderoのラウンジセンスやPeter Kerlinのポップフィーリングが作用しているのではないかと思う。
冒頭のMovement To Protect the Peopleは、上昇する多幸感と抑制された演奏が素晴らしい。冒頭のオルガンのイントロダクションは美しく僅かな転調による旋律の崩し方も素晴らしい。その後、ゆったりしたビートの中で憂愁と諦観の間をいくような和声が続く。シンプルなメロディーがピアノによって奏でられるが単音の朴訥とした響きが素晴らしい。
Affordable For Whoは、再びゆったりした曲調で不穏さと悠然さの入り混じるオルガンのプログレッシブな旋律が印象的だ。オルガンのアルペジオはミニマルミュージック然としているが、アルペジオ自体がメロディを辿っている。穏やかな移り変わりの中で徐々に細かなフレーズが入りパーカッションを伴ってテンポアップする中間部の高揚感が素晴らしい。
Pyrrhicはピアノのミニマルアプローチにプログレッシブなドラムがからむ不穏なはじまりだが穏やかな空気に覆われている。とても不思議な曲調を湛えたまま楽曲が進む。メロディーを奏でる楽器が微妙にレイヤー構造を持っている。それぞれに抑制の効いた演奏がむしろ印象的だ。
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