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PFM - Chocolate Kings
アイロニカルに米国を表現したカバーアート、ベルナルドランゼッティが歌う英語詞、テクニカルで音のレンジの広いアレンジをきっちり表現する演奏力を含めて聴きどころの多い1976年作のアルバム。前作までがいわゆる初期とされている。バンドはその後も休止期間をはさみながら活動を続けている。
From Underは、出だしの複雑に入り組んだフレーズから一気に惹き込まれる。性急なフレーズとゆったりしたオーケストレーションが交錯する楽想が素晴らしい。マウロパガーニは本作をもって脱退するが本作で披露する牧歌的なフルートは複雑なオルガンのフレーズと並んでこの曲のレンジの広さを牽引している。
Harlequinは、エレピが奏でる抒情的な和声が美しい。静かに流れる冒頭で印象的なアコースティックギターを軸にしたフレーズの細かさ等、随所にテクニカルなシーンがある。中盤のストリングスを中心した間奏を過ぎると一気に性急なソロパートに移るがその緊張感が素晴らしい。全てのパートがそれぞれにフレーズを奏でる勢いと集中力も素晴らしい。
タイトル曲、Chocolate Kingsは変拍子や転調と複雑なリフをはさみながら軽快なスタジアムロック然とした雰囲気を保っていてその不思議なバランスがアイロニカルな雰囲気に満ちた楽想だと思う。本作の中ではもっとも短い楽曲だがアルバムのあらゆる要素が組み込まれている。
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