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Peter Brötzmann Octet - Machine Gun

本作はドイツのフリージャズサックスプレイヤーによる自身のレーベル、BRÖから1968年にリリースされたセカンドアルバムだ。ESPから発売されたアイラーのスピリチュアルユニティーと並んで印象的な本作は、ドラムとベースを各々2人づつ揃えた重さと破壊的なウワモノのインプロビゼーションによってプロトパンク的な仕上がりになっている。

タイトル曲冒頭の3人のサックスの音の重なり合いが激しい。特にバリトンの振り切った質感はキースレビンのギターにも似た冷たく激しい音をもって迫る。その後、ブロッツマンのソロに入るが時おり挟み込まれるフリーキーな高音とともに入り乱れる覚醒パートが印象的だ。

Responsibleは、静かなランニングベースから入るが、冒頭のタイトルが緩急併せ持つ曲であったのに対して、終始激しいサックスのインプロビゼーションが繰り広げられている。それだけに中盤のベースソロやプリミティブなドラムソロが印象的であり、また続く、同一音を続けながらサックスを支えるベースの醒めた感覚も美しい。

本作では多くのトラックで、ある部分に、主にエンディングにかけて強烈なメロディー提示がある。その点はスピリチュアルユニティーと並ぶ初期フリージャズの面白いところだと思う。2023年、残念ながら訃報が届いたブロッツマンだが、ぶれることなくアバンギャルドを追求し続けた姿勢に敬意を表したい。

(過去に書いた文章に追記して再掲しました)

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