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Roxy Music - Manifesto

1979年のロキシーミュージックはプラスティックなカバーアートも曲のタイトルもアイロニカルな雰囲気が漂っていてポストパンク期の活動再開に相応しい雰囲気を携えていると思う。アルバムごとの上品な変節は従来からの持ち味かもしれないがこのアルバムはそういった変化にもリスタートを強く感じさせるアプローチがあり素晴らしい。

冒頭のアルバムタイトル曲はオープニングの雰囲気にこれまでのロキシーミュージックの活動を短く詰め込んだようなあらゆる要素を感じる。イントロが2分半近く続くのはこの部分の過去の総括がどうしても必要だったのかもしれないと想像する。ボーカルが入りリズムがタイトになり、高揚感を伴うコードが進行を盛り上げる後半の流れが素晴らしい。

続くTrashはロキシーミュージック的パンクというようなフィーリングを抱えている。勢いのあるオルガンとブレイクを伴うリズムがこの時期の熱量を感じさせる。中盤の間奏ではギターの熱量が上がりノイジーな展開になる。

Dance Awayはリズムボックスとピアノの組み合わせが美しい。柔らかなメロディーはこの後のロキシーミュージックの展開を考えると再始動後の軸になるような旋律ではないかと思う。美しい転調を挟みつつトリッキーな要素は少なく、穏やかでありつつ華やかさもある素晴らしいアレンジだと覆う。

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