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Snakefinger - Manual of Errors

フィリップリスマンによるスネークフィンガー名義の1982年のアルバム。1, 2枚目のソロ作品はアイボールワンズことレジデンツとの共作だったが、本作はほぼスネークフィンガー自身による作品。ただしラルフからのリリースということで引き続きレジデンツと行動を共にしていることが分かる。ギターはもちろん素晴らしいが、ポップさとアバンギャルドのバランスが素晴らしい。

Beatnik Partyは、実際にジャズ嗜好のビート詩人を思わせるランニングベースがスネークフィンガーとしては意外だが、一方でスケールアウトするかしないかというギリギリのフレーズを頻発するギターソロはとても素晴らしい。フランクザッパを連想するフレーズ等、余裕を感じるアプローチもとても良い。

You Sliced up My Wifeは、地元で僕をバカにした(Making me look small at local dances)というような内向きの歌詞と、性急なビートの組み合わせがとてもポストパンクらしい仕上がりだ。

Bring Back Realityは、プログレッシブなフレーズが大量に詰め込まれつつ、ボーカルも自在に表情を変え、ユーモアとシリアスさが交互に登場する濃厚な楽曲だ。ラストのThe Jungle Princessは、この時期のロバートフィリップにも似たミニマルなギターフレーズが素晴らしい。スネークフィンガーらしいテクニカルな要素とストレンジポップな要素が詰め込まれていて魅力溢れるトラックだと思う。

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