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Emahoy Tsege Mariam Gebru - Jerusalem
エチオピアでナン(Nun)の傍ら自ら作曲した作品をピアニストとして録音するEmahoy Tsege Mariam Gebruの本作は未発表曲集になる。宗教曲やフランス印象派近現代、モダンジャズ等あらゆる音楽をクロスボーダーに吸収する一方であくまで上品な旋律と優雅な演奏が非常に美しい。
The Home of Beethovenは、タイトルから連想する流麗な旋律が素晴らしい。部分的にモダンジャズ風でもあり流れるようなアルペジオは近現代風でもある。それらを優雅な旋律が牽引するアプローチはコンテンポラリーなピアノ曲として極めて豊かなパッケージに仕上がっている。
本作のタイトル曲にもなっているJerusalemは、陰影ある和声がサティを思わせる。狭いレンジで淡々と演奏するテーマやペダルの区切り方がとても現代的だ。ささやかな転調やユニゾンによるプリミティブな表現も織り込みつつ全体は抑制の効いたアプローチが美しい。
Quand La Mer Furieuseは、朴訥としながら透明感あるボーカルがとても印象的だ。歌の旋律にしては高低差が激しいが、旋律をしっかりと歌い込む姿勢が素晴らしい。歌を追うようにしてピアノがオブリを入れるその相互の補完がメロディーをより美しく際立たせているように感じる。
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