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Jan Bang - Reading the Air

ノルウェーの即興音楽祭「PUNKT」を立ち上げた事で知られるヤンバングによる2023年のアルバム。本作はデビッドシルビアンもゲスト参加しているが、ヤンのボーカルスタイルは旋律も歌い方もデビッドシルビアンのアプローチを連想させる仕上がりになっている。ヤンバング自身の出過ぎず心地よく洗練された音響やサウンドの質感に自身が披露する歌も含めてセンスが発揮されている。その上でボーカルが重なることでエレクトロジャズの域を超えた佇まいを感じさせる作品になっている。

冒頭のNamelessはユニゾンのボーカルメロディーと幽玄なギターが素晴らしい。ゆっくりとしたアンビエントスケープを展開しつつ、細かいパッセージと言葉によるメロディーがポップな旋律を形作り、その対比が素晴らしい。

タイトル曲、Reading the Airは解説によれば、”a Japanese expression sensing someone's feelings”と書かれており「空気を読む」を意味すると思われる。非常に詩的な解釈だと思う。リズミカルな電子音に言葉空くなのボーカルと冒頭の曲と役割の対比が素晴らしい。

Cycleは、かすかなトロピカリズモのエッセンスを感じる。エレクトロニカ的な柔らかなパッセージとリバーブの効いた大きなドラムフレーズの組み合わせに浮遊感あるボーカルメロディーが美しい。

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