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Orbiting Human Circus & The Music Tapes - Quartet Plus Two

Elephant 6 Collectiveのメンバーとして様々なバンドで活躍するサイケデリックトイアヴァンポップミュージシャン、ジュリアンコースターの2023年作はOrbiting Human Circus & The Music Tapes名義によるものだ。先日都内で行われた本作リリース記念パーティーは、本作をまず全曲リスニングしたのち、ミュージカルソーやバンジョーを使ったライヴ演奏に加えて寓話的な物語の朗読とパフォーマンス、そして蛍をモチーフにした幻想的なゲームなどまさにElephant 6 Collectiveのホームパーティーのようだった。

本作はオールドファッションなジャズをベースにしつつ、ミュージカルソーが全編に漂い、ジュリアンのキャラクターそのままの穏やかな歌が乗る。とても柔らかな仕上がりだ。冒頭のI Cover thr Waterfrontはビリーホリデイの歌唱を思い浮かべるがジュリアンは歌い込むというよりミュージカルソーと同じように漂うように歌う。

続くMariaは、淡い歌声とピアノによるシンプルな編成だが非常に寓話的な雰囲気を湛えている。続く、Into the River Thamesはその分性急な印象だがサイケデリックなコード進行とミュージカルソーの組み合わせが素晴らしいピアノを中心にしたインスト曲だ。中盤にはフリーキーなサックスのソロが挿入されておりとても面白い。

It’s So Peaceful in the Countryは、ストリングスに埋もれながら歌われるジュリアンの声が素晴らしい。中盤はピアノトリオ+ミュージカルソーの編成に切り替わり、何事もなかったかのように演奏が進み、最後に再びオーケストレーションが浮かび上がる。とても不思議でドリーミーな構成だ。


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