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Ron Carter - Third Plane

ロンカーターのリーダー作、本作はハンコックとトニーウィリアムスとのトリオによる1977年リリース。本作のセッションで録音された曲のうち、ハンコック名義の「ハービー・ハンコック・トリオ」としてリリースされている楽曲もあるので、スタジオでの録音は極めてフラットな関係だったのかもしれない。1960年代の新主流派の印象からすればとても自然なセッションだと思う。

冒頭のタイトル曲はフェイドアウトされるが全体にベースの多様なテクニックが発揮されていてロンカーターリーダー作の冒頭に相応しい。リムショットを多様したアップテンポのドラムにリズミカルなピアノで隠れがちになりそうなベースだが美しいロングトーンやビブラート等、ベースの聞き所が多い。

続くQuiet TImeは一転して静かなアプローチで流麗なピアノにブラシをメインにしたドラムが淡々と続くのを支えつつポルタメントやハーモニクスなどあらゆる演奏アプローチをふんだんに盛り込んだロンカーターの表現力がやはり素晴らしい。

Dolphin Danceは、ハンコック名義のアルバムの演奏と比べるとリラックスした印象で、全体的にとても自由な雰囲気を湛えている。テーマを支えるウォーキングベースやスネアのフィル等、ピアノトリオらしい演奏だ。本セッションから複数作品が生まれている事や、本作のラストがこの曲であるあたりにトリオのフラットな関係を感じる。

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