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VIDEOTAPEMUSIC - The Secret Dub Life of VIDEOTAPEMUSIC

VIDEOTAPEMUSICは忘れられたビデオテープの音声や映像をサンプリングして作品を構築するというようなコンセプトの下で活動するという紹介があった。エマーソン北村やロボ宙などある種のオルタナティブであったりストレンジであったりといった世界との親和性の高い人脈も感じつつ全体としてはコンセプトだけが先行するスタイルではなく音楽として楽しめる作品に仕上がっていると思う。

Storkはエキゾチカ的な世界観やワールドスタンダード、サケロック、イノヤマランドというような人たちとの親和性も高そうなニューエイジモンドスタイルが素晴らしい。ローファイさとスペイシーさを織り込みつつエキゾチカな旋律でまとめ上げた楽曲だ。

ilmolは、ダビーなアレンジとエコーが素晴らしい。朴訥としたオルガンに導かれるように進む楽曲はラウンジスタイルの美しいコード進行を随所に見せるがダブが程よくラジカルに揺さぶりをかける。

PINBALLはエレポップ風の音色アプローチでゆったりしたグルーブに時折細かなパッセージを落とし込むコンテンポラリーなスタイルだ。Cocktail Moonはビット数を落としたような粗いドラムが印象的だが、本作の中では比較的アッパーな仕上がりでギターのカッティングが静かに楽曲を牽引している様が心地よい。ラストのエマーソン北村によるリミックスワークが素晴らしいNepenthesはリズムボックスの音が心地よい。

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