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Ben Lumsdaine - Murmuration Without End

パーカッショニストでもあるベンラムスデインによる環境的実験音楽集、2023年のリリース。リズムにキューバンサウンドを織り込みつつ、瞑想志向の電子音や管楽器やギター等ゲストミュージシャンを招いてのセッション感覚も取り込んだ作りになっている。自身のドラムパーカッションそのものを軸に置くというより作曲、プロデューサーとしてのバランスを軸にした仕上がりだ。

Myopicは、冒頭の柔らかな電子音のインプロビゼーション的な冒頭を経てドローンミニマルな展開に移行する場面の現代音楽的アプローチが素晴らしい。後半はドローンの中で少しづつ変化していく単音が和声に埋もれていく様が美しい。

Renormalizerは、ギターのダイレクトなサウンドがとても印象的だ。オンマイク気味の弦のこすれる音がとてもリアルにミニマルな電子音に馴染んでいく。リズムは出過ぎない程度に抑制されたプリミティブなアプローチで静かに全体を覆っている。

ラストのHere’s Your Next Clueは、パーカッションとサックスが繰り広げるインプロビゼーションが素晴らしい。それらを支える電子音はどことなくグルーヴ感もあり、サウンド自体は休む事なく続くが相互にバランスを感じるアプローチがとてもジャズ的でもある。中盤からはギターも押し出されるがとても自然に入り込む。

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