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Marina Rosenfeld - Teenage Lontano
エレクトロニクスと声を使ったサウンドインスタレーション的な作品、"Teenage Lontano "と "roygbiv&b “を各々収録したのが本作になる。声は断片のみで構成されており意味から距離を置くアプローチを撮り続けている。しかし電子楽器のインプロビゼーションとの質感の違いからか結果として声を大きく浮かび上がらせることになっている。
アルバム前半はTeenage Lontanoになるが、2008年に本作は初演されたようだ。ギョルジリゲティによる作品をオーケストラアレンジしたものになるようだが、公演はヘッドフォンをつけたティーンエイジャーによる声が収められており、没入型のインスタレーションとして構築されていたようだ。電子音によるインプロに加えて徐々にさまざまなサンプリング音が放り込まれていくが全体としてはドロールを基調にしている。
アルバム後半はroygbiv&bになるが、初演は2011年とのこと。やはり声を軸にしているが、よりフィールドレコーディング効果が散りばめられている。作品は”ROYGBIV”という頭字語の意図的な聞き間違いを中心にゆるやかに構成されているという本人の解説がある。Teenage Lontanoからわずか3年の間に大きく深化していることが伺える。
どちらもサウンドインスタレーションだが極端に難しいコンセプトを持ち込むというよりごく自然にそこに声がある、という状態からスタートしているように思う。ただし短く区切ることで意味を剥ぎ取る前半と、聞き間違いをそのまま作品に還元させていく後半ではアプローチは大きく異なる。この変遷を思うと非常に興味深い。
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