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蔵出し:「アメリカの結婚式(前編)―結婚式当日まで―」from 野菜さらだの『アメリカは、住んでみなくちゃわからない!』第24回

※この蔵出しシリーズは、1996年~2002年までアメリカに留学していた野菜さらだが後半の1999年~約三年間、週2回発行していたメールマガジンの記事をそのままそっくりお送りするものです。今回は、毎日更新していきますので、お楽しみいただければ幸いです!

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  野菜さらだの
   『アメリカは、住んでみなくちゃわからない!』(愛称アメすん)
        (1999/8/20発行) 第24号 (火・金曜発行+日曜版)
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 先週、以前アパートのお隣さんだった人の結婚式に招かれ行ってきました。こちらに来て3年、最近「日本とアメリカの文化習慣の違いは何?」と尋ねられても、何だかすっかりアメリカの生活に慣れてきて「はて?」となり、すぐに思い出せないことも多々あるのですが、この「結婚式」はやはりお国柄の違いを感じさせられる行事の一つです。そこで今回と次回の2回に渡って、招待状を受け取ってから結婚式当日までを皆さんにも楽しんで頂けるよう、一緒にご案内させていただきます。

◆本日のテーマ「アメリカの結婚式(前編)」 一結婚式まで一

1)招待状 一封筒は模様いりと無地との二つ重ね一

 日本でも結婚式の招待状は独特のある種格式張った封筒、紙質のものを使いますが、こちらの招待状も他の手紙とは一風変わって独特です。まず、封筒は二重になっていて、外側の封筒は中のカードとお揃いの模様入り、内側の封筒は無地の白、こう決まっているようです。もちろん本人の名前で届きます。招待状の文面も~さんと~さんの結婚式、という下りは必ず女性の名前が先です(レディーファーストが徹底している?)。そして、ふ~んと感心したのが、結婚式の月日の書き方でした。日本語でも重々しい雰囲気を出すために、わざわざ難しい漢字を使いますね。それと同じような感じで、

on Saturday, the fourteenth of August nineteen hundred and ninety-
nine at twelve o'clock noon. (1999/8/14 (土)正午12時)

と算用数字を一切使わず全て英語でベタ書きしてあるのです。いつもは何だか身の回りに余り気を配っていないかのようなラフなスタイルの人からも、こういった招待状をもらい、この重々しい雰囲気のものを出すのが慣習のようです。

2)プレゼントの渡し方 一Wedding Shower一

 これはご存じの方も多いと思いますが、こちらでは結婚式に先立って、「ウエディング=シャワー」という集まりが開かれ、そこで皆がプレゼントを持ち寄って花嫁さんに渡します。そして、ケーキなどでお茶をしながら、皆の前で一つづつプレゼントを開いていきます。いつもは包装などに全然気を使わないアメリカ人ですが、この時は大層派手な色や柄の包装紙(ノリはケーキと一緒で原色ヴィヴィッド系多し)、でっかいリボンなどで「ゴージャス」にしています。最初このことを知らずに「アメリカなんだから、いつものように買い物袋程度でいいんだろう」と全然包装に気を使わずプレゼントを持っていったことがあり、しかも皆の前で広げるということもそのとき知り、赤面状態でした。

 さすがアメリカという点は、結婚するカップルは、新婚生活で必要な様々なもののリストを大型スーパー(この辺では、Targetがよく使われる)に登録しておけることです。プレゼントを送りたい人は、そのお店のコンピューター画面でそのリストを見て、送る品物を決め、それをお店でチェックしてもらいます。つまりダブって同じ物を送るとか、不要な物を送る、ということが避けられる訳です。おまけに、この手のスーパーはあちこちに支店があるので、自分の家の最寄り店で全て用事が事足りるようになっています。

 なお、赤ちゃんが生まれる前には同種のベビーシャワーがありますが、普通は女の人だけの集まりとのこと、最近はそうでもない場合もあるようです。
                          (後編へつづく)

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◆お断り:この『アメすん』は、かつてアメリカのオレゴンに住んでいた野菜さらだが個人的に体験した、おもしろい話を友だちや家族に話すようなつもりで書いたものです。アメリカの他の場所とは違う、というエピソードも中にはあるかと思いますが、まあ、気楽に読んで楽しんでください。
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#創作大賞2023

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