蔵出し:「映画館にて」from 野菜さらだの『アメリカは、住んでみなくちゃわからない!』(第23回)
※この蔵出しシリーズは、1996年~2002年までアメリカに留学していた野菜さらだが後半の1999年~約三年間、週2回発行していたメールマガジンの記事をそのままそっくりお送りするものです。今回は、毎日更新していきますので、お楽しみいただければ幸いです!
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野菜さらだの
『アメリカは、住んでみなくちゃわからない!』(愛称アメすん)
(1999/8/17発行) 第23号 (火・金曜発行+日曜版)
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◆本日のテーマ「映画館にて」
日本の友だちと話をしいてて、ちょっと自慢できるのが日本で封切られる前のハリウッド映画を一足先に見てしまえることです。映画館への入館料も5時前は3ドル程度と割安になっており学生の身分をフルに利用して、昼間の映画館へと向かいます。
座席の横の肘かけの部分には大きな丸い受け皿のような穴が開いていて、一体何だろうと思って周りを見ると、そこにバケツのように大きなコーラの入れ物を入れている人がいるのを見て、「あ~なるほど」といたく納得しました。確かに入り口であんな大きなコーラ、映画を見ながらずっと持っているのかなあと思った疑問がそれで解けた次第です。
さてと映画が始まり、いよいよクライマックス、そしてエンディング、そして最後のテロップと音楽が流れ始めた途端、館内にいた半分近く(以上かも)のアメリカ人はすくっと立ち上がり、さっさと出ていったのです。私は映画はテロップの最後の最後まで見て、しばらく余韻を楽しむのが何より好きなので、じーっと座っていたのですが、その最後までいたのはアジア人らしき数名だけ。ものの見事にみんないなくなってしまいました。
別の映画館では最後のテロップの途中でもう館内の明りが点灯し、帰れといわんばかりでした。友だちに聞いたら、そのテロップすら流さないところもあるとのこと。本当に必要な本編以外には興味がないのか何なのか、いつも映画館に行くと、最後のテロップを見ながら、最後に取り残され「う~ん」とその理由を考えこんでしまいます。
関係ないかもしれませんが、近くのビデオ屋さんで初代ゴジラ映画の日本語版と英語版と両方置いてあるところがあって、「二つはどう違んですか?」と尋ねたら、「英語版の方は、次々シーンが変わるように作ってあって、それはアメリカ人が長く注意を集中できないからだよ」と教えてくれました(もちろん、その人もアメリカ人)。 (つづく)
◆おまけ情報:この初代ゴジラ、単なる怪獣映画と思いきや、奥深いメッセージが込められているのですね。ゴジラが海底から出てきてしまったのは、水爆実験のためで、映画の最後の「もし水爆実験が続けて行われるとしたら、ゴジラの同類がまた現われるかもしれない」という台詞が印象的でした。映画が発表されたのが、1954年、丁度45年前です。たかがゴジラ、されどゴジラです。
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◆お断り:この『アメすん』は、かつてアメリカのオレゴンに住んでいた野菜さらだが個人的に体験した、おもしろい話を友だちや家族に話すようなつもりで書いたものです。アメリカの他の場所とは違う、というエピソードも中にはあるかと思いますが、まあ、気楽に読んで楽しんでください。
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