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蔵出し:「教室の風景(その2)一手を挙げるのは当たり前?!-」from 野菜さらだの『アメリカは、住んでみなくちゃわからない!』(第35回) 

※この蔵出しシリーズは、1996年~2002年までアメリカに留学していた野菜さらだが後半の1999年~約三年間、週2回発行していたメールマガジンの記事をそのままそっくりお送りするものです。今回は、毎日更新していきますので、お楽しみいただければ幸いです!

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  『アメリカは、住んでみなくちゃわからない!』(愛称アメすん) 
          (1999/9/28発行) 第35号 (火・金曜発行+日曜版)
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 以前、第3号でも「教室の風景」についてお知らせしました。その後、「授業中の様子についてもっと知りたい」というメールをいくつかいただきました。私の大学も今週から新年度が始まり、今日は「Back-to-School 特集」として「教室の風景」の続編をお送りします。 

◆本日のテーマ「教室の風景(その2)一手を挙げるのは当たり前?!-」 

渡米前から、アメリカの大学の授業は日本の大学の授業とはかなり違うということは度々耳にしていましたが、実際にその中にとっぷりと浸かってみて、この違いを肌で感じています。私はこれまでに大教室での先生がマイクを使って行うような授業から、20人位の普通のクラス、5~6人のk少人数クラスといった様々なサイズのクラスに参加しましたが、いずれのクラスでも学生からの自主的な質問が出ない日はありませんでした。

先生が一々「Any questions?」などと質問を促さなくとも、授業の内容で疑問に思ったことがあるとすぐに手を挙げて質問する、それがごく自然な形で行なわれていました。10数年前に日本の大学に在学していたときに果たして何回授業で手を挙げただろうと自分の経験を振り替えると共に、授業中にそんなに疑問が沸き起こっただろうかと、質問する以前の問題「何かを疑問に思う」こと自体、自分自身非常に希薄であったことをアメリカ人学生が活発に手を挙げる様子を見ながら思い出していました。

 一度、ある授業の課題として「アメリカ人学生と留学生の挙手の比率は違うかどうか」を調べたことがあり、1週間に渡って自分が受講していた授業で誰が手を挙げたか記録を取ったことがあります。留学生については、一応外見からはっきり留学生とはっきりわかる「アジア人」だけを対象としましたが、予想に違わず挙手をするのは圧倒的にアメリカ人学生がほとんどでした。まれに留学生が挙手して尋ねることもありましたが、その質問の内容は「テストでカバーされる範囲はどこか」「宿題の内容の確認」と言ったもので、いわゆる「授業の内容に関する疑問を問う」ものではありませんでした。 
 なぜアメリカの学生がこれだけ質問するのか、言い替えれば「なぜそれだけ次々疑問が沸き起こるのか」もちろんその理由も考えずにはいられませんでした。一体何が違うのでしょうか? その理由はいろいろあると思いますが、次号では、そんな理由の一部を動物園でかい間見た経験をお伝えしたいと思います。                     (つづく)

◆おまけ情報:最近日本の大学の先生から話を伺う機会がありましたが、やはり学生は大学院生であっても全然質問をしないそうです。私が在籍していた頃と全く状況は変わっていないようですね。

==================================◆お断り:この『アメすん』は、かつてアメリカのオレゴンに住んでいた野菜さらだが個人的に体験した、おもしろい話を友だちや家族に話すようなつもりで書いたものです。アメリカの他の場所とは違う、というエピソードも中にはあるかと思いますが、まあ、気楽に読んで楽しんでください。==================================

#創作大賞2023

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