音楽と〇〇の話:第1回「Lenny Kravitz/Rock And Roll Is Dead」

前回の答え合わせ:「共通点は何だった?」

はじめまして、の方も
毎度おなじみ、の方も
おひさしぶり、の方も
おはようございます。
こんにちは。
こんばんは。
スパイクでございます。

前回の投稿で、一見無作為にチョイスされた楽曲の数々。
(詳しくは前回の投稿をごらんください)


その曲たちの共通点はなんぞや、と前回問うたまま今回に持ち越された訳ですが、
答えは…

「プロボクシング選手の入場曲」

です!

もっと対象を絞ると

「私、スパイクが選ぶ日本のジムに所属していたプロボクサーで大好きな入場曲」

です!!!

音楽と、スポーツ。
その関わり方、繋がり方は競技の種類によって様々あると思います。
その中でも私スパイクが好きな競技であるボクシングをテーマに、
更にそこで効果的に使われる「入場曲」にスポットを当て、
極私的ランキング形式で御紹介しようという、とっても(自分が)愉快な企画でございます。

今回御紹介する曲は、こちら。

Lenny Kravitz/Rock And Roll Is Dead
(レニー・クラヴィッツ/ロックンロール・イズ・デッド)

です。



1964年ニューヨーク生まれのロックアーティスト。
代表曲である『自由への疾走』(原題:“Are You Gonna Go My Way”)は
今でもTVCMなどで使われる、日本でも耳馴染みの深いアーティストなのではないでしょうか。
私自身、土曜日の深夜フジテレビで放映していた海外の音楽ランキング番組、
「BEAT UK」で初めて聴いて、その音と見た目にぶっ飛んだ記憶があります。


御存じ無い方のために端的に申しますと
「長いドレッドヘアをぶんぶん振り回してギターをがんがん掻き鳴らす真っ赤な服の黒人ロックシンガー」
です。文字に起こすとまた違った破壊力がありますね。

欧米は勿論の事、第2次(ないしは第3次)外資系レコードショップ成長期(※1)を迎えつつあった日本でもヒットを記録。
そしてこの曲を収録した同タイトルのアルバムの次にリリースしたのが、
今回の表題曲“Rock And Roll Is Dead”でした。

アルバム『自由への疾走』からの次回作アルバム、『サーカス』からのリードシングルとしてリリースされていた記憶があります。
特徴的なギターリフのイントロで始まり、そこに割って入るようなレニー・クラヴィッツの「WoooooooYeahhhhhhhhh!!!」の雄叫び。
そして「お前のロックンロールは死んだ、終わってるんだ」という攻撃的な歌詞。
当時並行して日本語ヒップホップにも傾倒していた自分にとっては、伝説的イベント「さんピンCAMP」(※2)冒頭においてのECD氏(※3)が放った名言
「J-RAPは死んだ!俺が殺した!」に近いものを感じ、音楽ジャンルのボーダレスさ加減を勝手に納得したりしたものでした。

さてさて、そんなこの曲を入場曲に使っていたボクサーは
元日本Jr.ライト級チャンピオン(※4)コウジ有沢選手。



出身・所属ジムは埼玉県草加市、東武スカイツリーライン谷塚駅から徒歩1分の「草加有沢ジム」。
出身高校は埼玉県八潮市と、
我が地元(八潮生まれ草加育ち)にとても縁が深い選手である事も好きな理由です。
それに加えてそのボクシングスタイルもファンを惹きつけてやまない華のあるものでした。
見た目の甘いマスク(※5)とは表裏一体、切れ味鋭い右ストレート。
更には一発で試合の流れをひっくり返すクロスカウンターを武器に
スリリングで痺れるノックアウト勝ちを量産した名ボクサーです。
惜しくも世界チャンピオンには届きませんでしたが、試合ともなれば常に後楽園ホールは満員、
当時の国内シーンを代表する人気ボクサーだったのです。
同時期に活躍した名世界チャンピオンである畑山隆則選手とも死闘を繰り広げたことで覚えている方もいらっしゃるのでは。
そんなコウジ有沢選手、後楽園ホール(※6)でこの曲に乗って入場する姿がいちばん印象的でした。
前述のとおりイントロが鳴り、レニー・クラヴィッツの「WoooooooYeahhhhhhhhh!!!」の雄叫び。
そこで会場の盛り上がりは最高潮に!
また、この曲で入場している際「Rock And Roll Is Dead~♪」と唄うぐらいのところでちょうどタイミング良くコウジ選手がリングインするんですよね。
このような「曲と選手入場の仕方の相性」もバツグンでした。

…が、近年この入場曲について、
「コウジ有沢選手はこの曲あまりお気に入りではなかったらしい」
との事。
な、な、なんですと!!!
なんでもこの曲、コウジ選手本人ではなく、
当時コウジ選手の試合を放映していたフジテレビ系列ボクシング中継「ダイヤモンドグローブ」側がチョイスした楽曲だったんだそうで、
後年は自分のチョイスで入場曲を変えていた、らしいです。
本人コメントのソースが見つからなかったので、あくまで「らしい」の域を超えないのですが…
(むしろここ最近知った「畑山隆則さんがたまに草加に飲みに来てて、呼んでもないのにコウジ有沢さんが合流しに来る」の方が驚き具合としては大きいですが。w)(※7)

ともあれ、個人的にとっても印象に残るボクサーと、その入場曲。
それにまつわるアレコレ。でした。

こんな調子で、他の楽曲も浅く広く掘り下げてお話出来ればな、と思っています。

それではまた次回!!


(※)解説

(※1)90年代前半~中盤にかけてのタワーレコード、HMV、ヴァージンメガストアなどの外資系大型レコードショップの隆盛は当時ガキンチョだった自分にも結構な衝撃でした。
てっきりその頃はじめて日本進出してたのかと思いきやタワレコ初進出は1979年!

(※2)1996年7月7日に日比谷野外音楽堂で開催された伝説のヒップホップイベント。これに関しては自分がここの解説欄で話すのはおこがましく
書くだけ野暮にも程があるので(というか書き出すと止まらないであろう為)ここでは割愛しますね。

(※3)「さんピンCAMP」を主催・提唱したヒップホップアーティスト。件の名言「J-RAPは死んだ!俺が殺した!」は、
当時ポップでキャッチーな曲調のラップばかりがTV、ラジオなど各媒体に溢れており、それを纏めて「J-RAP」という呼称が定着していたが、
(「J-RAP」という呼称自体はm.c.A・T【←ボンバヘ、の人。そのあとダパンプのプロデューサーだった人】が提唱していたとの事。)
そういった音楽シーン、日本のヒップホップシーンにおける現象、状況へのアンチテーゼであったとされる。

(※4)ボクシングにおける体重ごとの階級表記、本来であれば現在の「スーパーフェザー級」とするところですが、
当時の雰囲気を大切にしたいので、「Jr.ライト級」と表記させて頂きました。
(というのは建前で、本音はいまだに「スーパー○○級」の表記がしっくりきていないだけです。スイマセン)

(※5)補足解説になりますが、コウジ有沢選手は双子兄弟の弟で、兄もプロボクサーだった異色の選手なのです。
カズ有沢(兄)・コウジ有沢(弟)の双子ボクサーは同時期にデビュー。当初はアマチュアボクシングのキャリアに長けていた兄のカズ選手の方が
注目度は高かった記憶があります。そして一卵性双生児の双子なので兄弟顔そっくり。そして揃ってイケメンなのでした。

(※6)前回投稿の記事でちょろっと話にのぼった「日本全国で2005人くらいは気づくんじゃないか」というヒントを出しましたが、
この数は何かと申しますと「後楽園ホールのフル観客動員キャパ」の数でした。わかりづらい。

(※7)ここ最近、畑山隆則さんが同じく元世界王者の竹原慎二さん、渡嘉敷勝男さんとともにyoutubeチャンネルを開設していて、
その中の動画で畑山さん本人がおっしゃっていました。お互い引退後も交流がある事と、畑山さん草加に来るのかい!!というダブルの驚き。

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