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柔軟に、オフィスを選べればいい

コロナウィルスの感染拡大によって世間がざわついているいま、リモートワークに切り替える施策が話題になっていますが、この規模の危機を感じてようやくか・・・という印象でした。ただこれを機に、リモートで働くことへの意識が世の中で変化があることは、とてもよい傾向だと感じています。

出社しないとできないことって、なんだっけ

前の職場では、出社しないとできないことというより、「ルール上やらなければいけないことが出社したほうが楽にできる」ことがたくさんありました。いわゆる「紙」でないと受理されなものが多かったのです。受注のエビデンス、売上のエビデンス、契約書、見積書、請求書、捺印作業、回覧業務、全部が紙です。そのため外出先から見積を送りたいときは、社内にいるアシスタントさんや定時後に会社に残っていそうな人に連絡して紙の書類をデータにし、わざわざメールで送ってもらっていたり、いま思うと果てしなく無駄な作業だったと思うのですが、これが当たり前だったし、同じ規模の会社はわりとどこの会社もそうだったように記憶しています。

一度、受注〆と売上〆の月末最終週のタイミングでインフルエンザにかかり、1週間熱と戦いながらデータを社内の人に送って紙で印刷してもらってそれを確認して印鑑を押してもらって、電話とメールでいつもの倍以上の指示を出しながら、身体はいつもより辛いのに、仕事は通常の業務の3倍以上・・・というとんでもない手間がかかった記憶があるのです。インフルエンザが辛かったことよりも、インフルエンザで会社に出社できなくて仕事が辛かった印象しかありませんでした。

このように、そもそもの会社のルールがどんな運用になっているかによって、リモートワークができるできないが大きく変わってくると思います。前職のような企業でいきなりリモートワークをやろうと思っても難しいため、このあたりは会社としての全体的な見直しをしていかないと、単に制度を取り入れたとしても実用性がなく、根本的な解決にはならないのではないかと思います。

出社したらできることって、なんだっけ

逆に、今の職場はそういった文化がありません。紙もほぼない、印鑑を押す機会も月に1回あるかないかです。オフィスにいなきゃできないことってなんだっけ?と思考を巡らせてみるましたが、人と面と向かって会話すること以外思いつかない。

そうか、人と会話することなのか。

とはいえ、基本社内にいてもSlackがメインのコミュニケーションツールなので、近くにいてもSlackで会話していることが往々にしてある。リモートでも問題なく会話ができます。でも、ひとりで作業しているときに、これ、あの人にニュアンス聞きたいけど、Slackでわざわざ聞くのもな・・・という時、話しかけたかったり、文字でのコミュニケ―ションはとても気を遣うので、そのあたりも直接会って話すよさも感じているのは確かです。

もちろんセキュリティの観点や、労務管理の観点からは「決まった場所に出社する」ほうが物理的なわかりやすさはあると思うのですが、オフィスにいようがいまいが関係なく仕事はしているし、もはやお客さんとの商談もオンライン、会社の会議もオンラインで参加するときすらあります。PCがあればそこが一瞬でオフィスと化すのです。

難点があるとすれば、サービスの機密情報やお客様情報などの商談情報を公の場では話せないので、自宅でのリモートワークならまだしも、外出先でオンライン商談するときはちゃんとしたスペースを用意しないといけないことぐらいではないかと思う。ただ、これはリモートワークだろうが、そうじゃなかろうが同じなのだけれども。そういう点では外出先でオンライン商談するとき、カラオケBOXは非常に便利である。

リモートワークにおすすめの作業スポット

リモートオフィスは自宅に集中できるスペースを用意できるにまずは越したことはないのですが、中には「自宅で作業すると集中できない・・・」という人もいるのではないでしょうか。そもそも通勤や外出を控えて感染を防ごう!という今このときなので、あまり自宅以外で作業することについては求められていない気がするのですが、せっかくなのでわたしが日頃からよく利用している作業スポットをご紹介します。

▼Startup Hub Tokyo(東京)

まさにいまこの記事もここで書いています。数年前までは全然人がいなかったのだが、最近有名になってきたのか結構込み合っているのですが、ここは東京都が運営しているスペースになっており、誰でも簡単な登録をすれば無料で作業スペースを利用することができます。

電源も充実、少しですがホワイトボードもあり、簡単な複数人でのMTGもできます。コンシェルジュオススメのビジネス本なども沢山置いてあるので、大手町有楽町エリアで少し時間が空いてしまったときなどによく活用させていただいている、非常に便利なスポットです。飲食もOK。もともとは東京都として起業を応援する創業センターがやっていることもあり、起業の相談ができるカウンターがあったりイベントも開催されているので興味がある方はぜひ。

▼Yahoo!LODGE(永田町)

ここも有名。Yahoo!さんが運営している、オープンコラボレーションスペースです。イベントでお伺いしてからちょくちょくお伺いしてます。場所も永田町という土地がら落ち着いていて好きです。ここは土日に作業しに来たりすることが多いです。開放的だけど集中できるスペースは本当にありがたく、なにかアイデアが浮かんできそうな空間です。ここも事前登録が必要ですが無料です。もちろん電源もあります。

▼渋谷ならここへ、「koe' lobby」

ここのオススメポイントは比較的朝早くからOPENしている点です。7:30-23:00 (L.O. 22:30)という時間の汎用性の高さと、電源があるのは日当たりのいいカウンター席。オススメは大きい柱のところのカウンター席です。柱がいい感じに背もたれになるのです。混んでるときもありますが、比較的カウンターは空いてます。

少し値段は高めですが、夜にサクッとひとり飲みするのにもオススメです。おしゃれな空間で少しテンションがあがります。

▼渋谷で絶対(自分比)に席に座れる、「ハンズカフェ」

渋谷はとにかく、どこに行っても人がいっぱいで電源はおろか、まず席がない!というときに私が駆け込むのがここ、東急ハンズの上にあるハンズカフェです。土日の12時というゴールデンタイムにも関わらず、ほぼ100%入れてます。電源は前あったんですけど、最近みないな~~。同じフロアになぜかフラスコとか試験管が売っていていつも行く度にそっちに目がいってしまいます。

▼有楽町の救世主?「有楽町 micro FOOD&IDEA MARKET」

有楽町の駅前で、かなり使えそうな大箱が登場しました。「好奇心が交差する市場」というコンセプトだけでわくわくするのですが、おしゃれで広くて解放感があり、人数に関係なくとても使い勝手がよさそうです。手前のスタバは満席でしたが、電源席(しかも1席につき2コンセント)でもかなり空きがある状態。おいしそうなランチやスイーツもありそう。23時までやっているありがたさ。ちょっとWi-Fiが弱いですが、多分そのうち解消されることでしょう。ここは十分有楽町の電源オアシスになりえるポテンシャルがあります・・・今後も穴場でいてほしい・・・

▼外出先で急にオンラインMTGが必要になったときは「まねきねこ」

わーアポが長引いて会社に戻ってたら次のアポに間に合わないよー!というとき、便利なのが「まねきねこ」。カラオケの中でも比較的落ち着いて個室が使えます。カラ館とか歌広場とか、臭かったり照明が変だったり、電源もないんですけど、まねきねこが都内に進出してきたのが比較的最近のため、部屋が綺麗&各部屋に電源とWi-fiが完備されている確率が非常に高いのです。

最近はカラオケ以外の場所の使い方もお店側が推奨しているので、とても利用しやすいです。あと、安い。いつもありがとう、俺たちのまねきねこ。

柔軟に、選べるようになればいい

完全なるリモートオフィスが主流となり、会社として出社する場所がないというのはちょっと寂しいなという想いが個人的にはあります。なぜなら、ちょっとした雑談をしたり、何か同じ場所にいることで偶発的に発生するコミュニケーションもチームで働く上でも悪くないと思うからです。でも、別に毎日わざわざ通勤時間をつかって決まりだから会社にいく、という慣習はなくなってもいいのではないかと思います。

もしかすると、今後より企業がオープンマインドになり、企業が自社のオープンスペースなどをリモートオフィスとして他社の人に公開したりすることによって、今でいうシェアオフィスのような機能を果たし、そこで新しい会話が生まれ、イノベーションが生まれる時代が来るのではないかと思います。

働く場所のひとつとして自社のオフィスも選べるし、自宅も選べるし、それ以外のコワーキングや第三の場所にいてもいい、そんな風に働く環境の選択肢がもっと広がることによって、わたしたちの働き方はもっと柔軟になっていくのではないかなと考えています。

と、有給休暇というある意味ひとりリモートワークの傍ら、そんなことをおもった次第です。

「おいしいものを食べている時がいちばん幸せそうな顔をしているね」とよく言われます。一緒においしいもの食べにいきましょう。