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二乗和と私

自分語りのコーナー、、
これのひとつ前にアップした「二乗の和の公式」の証明は、高校3年生の時に考え付いた、自分で考えたものです。ネット上で同じ証明を見つけられなかったので、とりあえずアップしてみた、ということになります。

ほとんど同じ証明はありますので紹介します。↓

上の2つは見つけられたが、少し違うのでまあ、許してください。


 ここから先は二乗和の公式についての思い出を書いていく。高校の同級生なら覚えていてほしいなあ。

高校三年生の数学の授業は悲惨だった。数Ⅲの授業を半分諦めた先生は授業の最初にこのような問題を出した。
「二乗の和の公式を証明せよ。」

そしてそこから1時間、この問題について延々と考えるという、謎の授業であった。もしくは、ちゃんとした授業も行っていたかもしれないが聞いていなかった可能性もある。どちらにしても、僕はその1時間はこの問題のことしか考えていなかった。

そして遂にクラスの誰も解くことができなかった。

「では解答を書きます」
と、誰も解けなかった問題の答えを黒板に書く先生は、心なしか嬉しそうであった。

先生は、以下の解答を書いた。

黒板に書かれた証明


この証明を見て、正直僕はあまり納得がいかなかった。

 突飛な式展開だったし、幾何学が好きな僕からするとあまりに好みから外れていた。数式ではうまくいっていても、その式展開の意味するところがわからないまま、なんとなくうまくいっているような感じ。

(この証明は、三乗の時、四乗の時と無限に公式を生み出せるので、有用性という意味ではこれに勝てるとは思っていない。)

そこで、どうしても幾何学的なアプローチで証明してやろうと思った。

授業が終わってもずっと考え続けていた。

 受験生だったので塾で授業を受ける必要があり、放課後すぐに塾に向かう。今すぐにでも証明について考えたかったがとりあえず授業は真面目に受けたと記憶している。

9時にすべての授業が終わったので、親の迎えが来る10時までの1時間を使って証明に取り掛かった。
「明日も数学の授業がある。それまでに別解を見つけて、先生に持っていく。幾何学的で、もっとビジュアルな証明ができるはず。」

しかし、親の迎えを待つ1時間だけでは、考えていたやり方ではうまくいかないことがわかっただけだった。

10時になり、自習室が閉まる時間が来た。
荷物をまとめて外に出て、親が迎えに来る場所まで移動した。
そして、道端に座り込み、ノートを出し眺める。考える。考える。

ここで迎えを待っていた。。

臨場感を味わってほしいと思いストリートビューを貼り付けてみた。笑

想像してみてほしい。真っ暗な中道端に座り込み、街灯のあかりのもと数学の証明を考えている。青春であった。()

この辺は中二病だなと笑うところである。

で、ついに問題を解くことはできなかった。()


次の日になり、朝の準備をしながらも数式を見ている。
昨日は諦めたけど、やっぱ無理なのかなあ。。と半分諦めた感じであった。

そのとき何を見ていたかというと、

朝見ていた式。1/3って何?

上の式を見て、制服にアイロンをかけながら、考えていた。
「一番影響のあるn三乗の係数、1/3って、何だろう?どっからきたの?」

nが100、1000と大きくなるとこの式の値は「1/3×n三乗」に近くなっていくことは直感的にわかるわけだが、その1/3がどこから出てきたのかがわからずにいた。

そして、「もしかして四角すいの体積を求めてるんじゃない!?四角すいの体積はちょうど1/3×n三乗だ!」と思いたち、アイロンどころではなくなった。「ピラミッドにぴったりおさまる四角すい」の絵を描いてみたらおお!うまくいきそうであった。

細かい計算は学校に行ってから行った。計算が合わず、友人の検算も助けになり、なんとか数学の授業に間に合わせることができた。

「昨日の問題、別解考えてみました。」
と言って先生に見せると、

先生は「えらい。」とひとことだけ言ってくれた。正直もう少し驚かれると思っていたが、その時は解けただけで大満足していたので、先生の反応はあまり気にしていなかった。

一件落着であった。


「元の証明のほうが計算が短くて、発展性もあって良いじゃん」っていう人もいると思うけれども、
「ピラミッドにぴったりおさまる四角すいを考え、はみ出した部分を足し合わせる」
というアイディアはとても明快で、個人的には満足していた。

 また、幾何学的なアプローチでビジュアルなものを持っていく、という当初の目標が達成されたことは大きな自信になった。証明に対して美学というか、そういうものを持てたのは初めてで面白い体験だったので、こんなに記憶にのこっているんだと思う。

 今回、自分語りにはなってしまったが、過去の過去。高校生の時だから許して。高校生の青春って感じでいいじゃないですか。ね。




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