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存在感がものをいう/映画レビュー『ミッドナイトスワン』

役者とは何かを考えさせられる。

難しいトランスジェンダーの役を自然体で演じきった草彅剛の名演もさることながら、彗星のごとく現れた新人、服部樹咲が主役の作品である。演技は発展途上だが、その圧倒的な存在感とバレエで魅せる身体美に惹きつけられる。

草彅剛の演技はそこまで好きではなかったが、今回の役で一皮向けた感がある。妖艶さが板についており、間違いなく代表作になるはず。

全体としてはセリフが少なく映像と音楽、そして役者の佇まいで語る映画だったが、展開が一気に飛ぶのに感情がついていかず評判より心に響かなかった印象。期待値が高すぎたか。

ただ自分の人生をかけて守りたいものを大切に想うふたりが心を通わせていく日々には、生きづらさが蔓延する現代に希望と優しさを注いでくれる。生き方の多様化が進む現代において意義ある作品。

与え合いの恩贈りで巡る世の中になったらいいな。 だれでも好きなこと、ちょっと得意な自分にできることで、だれかのためになれて、それが仕事にもできたら、そんな素敵なことはないですね。 ぼくの活動が少しでも、あなたの人生のエネルギーになれましたらうれしいです。