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「カレーの店 うどん」←これって何屋??

五反田のカレー屋さん「カレーの店 うどん」に行った時の話。


勘違いしそうになるが「カレーの店うどん」はうどん屋さんではない。というかこのお店にうどんはない。カレーうどんすらない。カレーだけ売ってる店。


こんな誤解を色々招きそうな店名に関わらず、コアなファンが多いカレーの実力店らしい。


このお店については入店難易度が高い、入店後のルールが厳しい、など色々と賛否の分かれるお店であるが、まず最初に言っておくとここのお店のカレー、私的には本当にめちゃくちゃ美味しかった。


そんなお店に行ってきた時の話。


■お店に行く前に、店のルールを知っておこう


まず、お店に行く前の話だが事前にお店について予習をしようと思い、お店のホームページを閲覧した。

リンクを開いた人には分かると思うがこのホームページがめちゃくちゃ読みづらい。


真っ赤な背景に変な中央寄せの長文。どこが見出しなのかもよく分からないし、この真っ赤な背景に目が疲れさせられる。『相席食堂』の松崎しげるの回を思い出してしまうほど。今時ここまでユーザビリティが悪いコンテンツも珍しい。笑

このページを読みやすいと思う人は存在するのだろうか。いや、常連にとってはこれが読みやすいのだろうか。このページが読みづらいと思ってしまう時点で「うどん」の客としてはまだまだヒヨッコということなのだろうか。というか常連はホームページなんかもう見ないんじゃないか。


とにかくこのページを見てると目も頭も混乱しそうだがこのお店を楽しむ上での重要なルールが書かれている。


要するにこのお店で守らなきゃいけないルールはこの3つ。


  • お店に入ったら何も言わずに席に座る

お店の入り口付近できょどりながら「すいませ〜ん、2人なんですけど」とか言う必要はない。店主さんはワンオペで忙しいから席が空いてたら構わず座ろう。

  • 「注文いいですか?」はNG

店主さんはワンオペで忙しいので店主さんのタイミングで聞いてくれる。それまで水も配膳されず、タイミングによっては2〜30分放置されることもあるがどこぞのインスタグラマーの自撮りでも見て暇潰せばいいんじゃない。

  • カレーをご飯にかけるのはNG

これは破ったからといって怒られるとかはなさそうだが、店主さん的にはカレーとご飯を別々に食べてもらいたいらしい。筆者もこのルールに倣って食べてみたが、この食べ方が一番美味しかった。


他にも細かいルールが色々あるのかもしれないが、とりあえずこの3点だけ押さえておけばOK。常連の方でもっと他にも知っておいた方が良い情報があれば教えてくださいませませ。


■夜営業のご飯の予約


夜の営業はご飯がなくなり次第終了ということで、確実に食事にありつきたい方はあらかじめ行く前にお店に電話をしとくのがベターのよう。


電話で伝える内容は

・いつ頃訪問するか
・何人で行くか

これだけ。
特に頼みたいメニューを伝えたりなどは不要。

実際に私がお店に電話をした時のやりとりはこんな感じだった。

ガチャッ
店主「はいうどんです!」
私「もしもし、今日18:30頃1人で伺いたいのですが」
店主「ハイハイ!」
ガチャャッッッッ!

電話が始まってから終わるまで、ものの2秒もかからなかったと思う。お店への問い合わせの短さでならギネスレベルなんじゃないだろうか。ホームページにも「電話対応雑ですみません」とは書いてあったが、まさかの短さに電話が終わった後一人で笑ってしまった。

店主さんはワンオペで忙しいのです。凄まじい勢いで切られてもそれは仕方ないと思う心が大切よ。

■いざ入店


やって来たのは土曜の18:30頃。人気店なので並んでるかなとか思ったが意外と並びはなし。店内の席も空いていたので予習していたとおり何も言わず空いてる席に着席。

私が席に座っても、店主さんは「いらっしゃいませ」の一言もなく、ただ黙々と料理を作り続けていた。予習していたのでこれは想定内。

店内はカウンター席のみ。決して広い店内ではなく、席数でいうと10席くらい。周りの客は1〜2人客がぽつぽつと。

着席した私はまずカウンターに置いてあるメニューを眺めた。このメニューの表紙もホームページ同様赤色だった。中の紙まで赤だったらどうしようとか思っていたがそこは安心した。

ちなみに、私が行った時点で「夜すーぷ」は売り切れだったので「夜すーぷ」が食べたい方はもっと早く行った方が良さそう。

私は注文するメニューは決めたが、先ほどの記述したルールに倣って「注文いいですか?」という一言はおさえて店主さんからの声と水を待ち続けた。どれだけ待つかなとか思いながら料理を待っている隣のカップルの馴れ初めなんかを想像したりしていた。

しばらく待つと、隣のカップルにカレーが提供された。このカップルは料理が出てもあまりはしゃぐようなタイプのカップルではなく、落ち着いたリアクションをしていて素敵だった。どんなお店でも、料理が出て来た時食レポ前の芸能人くらいはしゃいでるカップルってたまにいるよね。


隣のカップルの提供後、さらにしばらく待っていたら
ようやく私のテーブルに水と店主さんの「注文は?」という声が届いた。私が着席してから「注文は?」と聞かれるまで約20分の時間を要した。信じられない人もいるかもしれないが、このお店ではこれが当たり前の模様。(私の後に入って来たお客さんもそれくらい待たされていた)

その20分の間、頼もうと思うメニューに揺らぎはない。私は迷いなく「季節のすーぷかれー」「スパイシーひき肉」「チーズ」を注文した。ネットで調べたところこの2つのトッピングはこのお店では鉄板らしい。

ちなみにここで一つ注意点というかポイントだが、ご飯の量は並盛りで300g。一般的なファミレスの大盛りくらいの量なので、少食の方や女性の方はあらかじめご飯少なめと伝えといた方がいいかもしれない。あと、20分待たされた後の水もなかなか美味しいよ。


■いざ実食


注文で20分待たされたので料理の提供も結構待つんだろうな、とか思っていたが意外と料理の提供は早く、10分以内に提供された。これは20分待たされた分早く感じただけなのかもしれないが。

これが「季節のスープかれー」。5月・6月は「しし唐たっぷり&豚バラスライス プチトマトでいろどり」というカレーらしい。メニュー名が意外とオシャレなのよ。

トッピングで頼んだ「スパイシーひき肉」と「チーズ」はどこにあるのかというと、ご飯に盛られている。

さてさて、いただきましょうか。これだけ予習させられた上でのカレーは一体どんな味がするのかと、ハードル爆上げでカレーを一口。

んんんんんめっちゃくちゃうまい。

食べた瞬間ガツンと来る辛さ、野菜の甘み、お出汁を飲んでいるかのようなコク、後味のスッキリさ…

本当によくまとまっていて美味しいスープカレーだ。有名な札幌のスープカレーともまったく異なるがクオリティはかなりのものに感じる。やはりこの店主、只者ではない。

口コミで賛否が分かれているとおり、人によって好みが結構分かれそうな味なのは納得だが私としてはかなり大当たり。

そしてホームページで見たとおりカレーを食べてからご飯を頂いてみる。

これまた美味い。
カレーを食べた後、口の中にカレーの風味が残っているのでこの風味だけでご飯が全然いける。ひき肉とチーズは特別パンチのある味ではないが味というよりかは食感におもしろみを加えてくれるようなそんな役割を担っているような気がした。

ちなみにだが、一応お店のルールに抗ってご飯にカレーをかけて食べてみたが私としてお店のルール通りご飯とカレーを別々に食べた方が段違いに美味しかった。やはりお店のオススメは信用できるね。


しっかりと炒められたお野菜も豚バラも美味い。しし唐の辛さがさらに良きインパクトを与えてくれる。カレー好きにも、辛党にもきっと刺さる味だろう。


味変するための調味料や薬味などはなかったが、それでも最後まで飽きず、ずっとめちゃ美味い。そんな思いで食べ進めていたらあっという間に完食。クセ強店主さんのこだわりが詰まりまくったカレー、ごちそうさまでした。

会計については、「ご馳走様!」と聞こえる声で言えば店主さんがそのうち対応してくれる。お釣りがない場合はカウンターに置いてそのまま帰って良いが、お釣りが返ってくるまで時間がかかる場合があるので、このお店に行く際は店主さんのことも考えてある程度お金を崩した状態で訪問した方がお互いハッピーだろう。ちなみにこのお店のメニューの値段はすべて100円単位なので、10円玉まで細かくする必要はないのでそこはご安心を。

■予備知識さえあれば何も怖がらなくていい


最後に、

「カレーの店 うどんに行きたいけど怖くていけない」
「悪い口コミを見て不安」
「怒られるのではないか」


と思っている皆さんに伝えたい。


それは、ちゃんと予習をして予備知識をつければまったく問題ないということだ。

このお店のGoogleの口コミを見てるとよく「いらっしゃいませも言わずに水も出されず放置された」「注文いいですかと聞いたら怒られた」「最悪の店」などと酷評が書かれている★1の口コミを結構見かけるので行く前の時点で不安に思っている一見一歩手前さんも多いと思うが、おそらくこれらの口コミを書いた人の半分以上が予備知識がない。


彼らは「うどん」を他のカレー屋さんと同様、

・入れば「いらっしゃいませ」と言われる
・席に案内される
・水が出てくる、あるいはセルフで入れられる
・自分が注文したいタイミングで注文できる

そんなお店を想像してやって来たのだろう。


ところが想定外の店主の対応に戸惑い怒りのまま短絡的にレビューを書いてしまった人が多いと私は考えている。


一方今回私はちゃんと予備知識をつけてから臨んだため、入店時の挨拶がなくても、水が出てこなくても、注文が出てこなくとも何ら不快感を感じることはなかった。


知識の差だけで、人は幸せにも不幸せにもなり得る。私は今回それを身に染みて感じた。


もちろん、カレー自体好みが分かれそうな味ではあるので単純に口に合わず低評価をつけたレビュアーもいるだろう。だが私にとってはここのカレーはとても美味しかったので十分他人にオススメできるお店だと考えている。


「自分は他人よりもカレーが好きだ」という自覚のある人や「とにかく美味しいカレー屋さんを知りたい」という方には是非チャレンジしてもらいたい。


気づいたら4000文字を超えていた…。
それでは。


■お店の情報

●カレーの店 うどん
●住所:東京都品川区西五反田2-31-5
●アクセス:「五反田」駅から徒歩5分
      「大崎広小路」駅から徒歩6分
●営業時間:11:30~15:00 / 17:30~21:00
●定休日:日曜
●駐車場:なし
●支払い方法:現金のみ


■頼んだメニュー

●季節のすーぷかれー ¥1400
●スパイシーひき肉 ¥200
●チーズ ¥100

※割と辛いので辛い味が苦手な人には「とろっとかれー」が
  オススメだそう。

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