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夢野久作「瓶詰の地獄」を読んだ。

この記事内の本の内容は「あらすじ程度、もしくはそれ以下」なので、ネタバレは含まれていないつもりです。作品に興味を持つきっかけになればうれしいです。

今日、角川文庫から出版されている「瓶詰の地獄」を読了しました。こちらは短編集で、表題作「瓶詰の地獄」の他に六編が収録されています。


私にとって夢野久作短編集は2冊目。初めて読んだ夢野久作の作品は角川文庫の短編集「少女地獄」でした。表題作の「少女地獄」から「何でも無い」、もうこれはどハマりでした。嘘に嘘を重ねるユリ子ちゃんが、とても可哀想で、とても魅力的に見えてしまう。他の作品も私の好みだったので、続けて短編集の2冊目に突入した、という訳です。


表題作の「瓶詰の地獄」に一言感想を添えるとしたら、「本当に地獄だな〜」です。作品の状況も地獄。でもそれ以上に読者が地獄を味わう仕掛けになっています。

もう一つ気になった作品は「一足お先に」でした。夢と現実の境目が全然分からなくなりました。読んだ後、時系列を書き出して整理しましたが、もう全部夢なんじゃないか?と思うくらい分からない。でも面白い。「一足お先に」というタイトルにも考えました。読了後にこうやって考えるネタがたくさんある作品って面白いですよね。


実は、「少女地獄」を読了して以来ずっと気になっていた作品は「ドグラ・マグラ」でした。本屋さんで夢野久作作品を漁っていると必ず出会う、存在感のある作品でした。しかし、夢野久作初心者の私にはまだ早い、となぜか直感し(上下巻あって長そう、というのが理由でもありますが)、他の短編集に手を出しました。それが「瓶詰の地獄」です。他の作品もたくさん読みたいな〜次はついに「ドグラ・マグラ」を読んでみる予定です。


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