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運動不足解消とメンタル安定化のための、自宅トレーニングのすすめ - 具体的な方法と習慣化の工夫

COVID-19により 2020/03/29 時点で東京では外出自粛が促されており、前日の首相会見でも長期化を見据えた発言がなされた。今後はより厳しい状況になる可能性もある中で、多くの人にとって文字通り致命的となりうる問題の1つに精神面への悪影響があると考えている。リモートワークによって急遽仕事のやり方を大きく変えさせられ、感情を伝えやすい対面でのコミュニケーション機会が減り、先行き不安な中長時間自宅で過ごさざるを得ないという辛さ。

そうした仕事上でも生活上でも精神的に負荷が高まっていく世の中で自分ができることを考え、過去の自分にとって一番メンタルマネジメントに効果的だった「自宅トレーニング」のノウハウが少しでも助けになればと思いこちらの記事にまとめた。なお運動は「一度やったら終わり」ではなく「いかに長期的に継続できるか」が重要なので、運動内容に加えて習慣化する上でのポイントもまとめている。

運動を含む他の方法は過去の記事に書いているが、この記事では運動に絞って書いている。

140文字以内で言うと

運動がメンタルに及ぼす影響

有酸素運動や筋トレには不安を低減させることは以下のような研究で言及されており、また自分の経験からも効果を強く感じる。

They found that people with mild to moderate depression who performed resistance training two or more days a week saw "significant" reductions in their symptoms, compared with people who did not.

In addition, study authors also found that people got a mood boost from resistance training, regardless of their health status, how often they performed resistance training, and whether or not they actually got stronger as a result of their workouts.

> 低~中程度のうつ病である人たちが週に2日以上筋トレをすることで、”顕著な”症状の軽減が見られた。
> また健康状況や筋トレの頻度、トレーニングにより身体が強化されているかなどとは関係なく、筋トレは気分を高めることがわかった。

Gordonらは2017年8月、レジスタンストレーニングと不安やストレスなどの精神状態との関係を調査した16の研究報告をまとめたメタアナリシスを世界で初めて報告しました。
その結果、レジスタンストレーニングは、健常人の不安を大幅に改善させるとともに不安障害などの患者の不安を改善することが示されました。
また、興味深いことは、レジスタンストレーニングによる不安の改善効果は、性別、年齢、トレーニング条件(運動強度、回数、セット数、頻度)により影響を受けないことがわかったのです。
つまり、ある程度の疲労を伴うレジスタンストレーニングを行うことにより、性別や年齢に関わらず、不安をやわらげることができるのです。
しかしながら、レジスタンストレーニングによる不安改善のメカニズムは動物実験レベルでしか得られておらず、ヒトによるメカニズムの解明は今後の課題であるとしています。
これらの結果からGordonらは、レジスタンストレーニングは健常者の不安のマネジメントに有益であり、不安障害の補助的なオプションになると述べています(Gordon BR, 2017)。

上記の研究両方で言及されているように、不安の低減という観点では運動内容やハードさなどよりも「ただやる」だけで効果がある。
また運動したその日の気分転換という短期のメリットだけではなく、「体が動かしやすくなる」「疲れにくくなる」「心疾患などのリスクを減らせる」「自己効力感(セルフエフィカシー)が高まる」といった心身への中長期的なメリットもあるので、運動習慣のない人には一定疲労を感じる筋トレ習慣を身につけることを強く勧めたい。

自宅トレーニングに必要なもの

最低限としては本1冊あれば良い。
* トレーニングスペース:1m x 2m ぐらいの広さがあれば十分
* 器具:不要
  * 家の壁や机、ベッドを使うぐらい。トレーニングウェア等も不要
  * ある程度慣れてきて投資するならヨガマットと懸垂機
* 知識:下記の2冊の書籍 (通し読みする必要はなく、最初は必要な場所のみ拾い読みで十分)
  * プリズナートレーニング (表紙は厳ついが引かないで欲しい)
  * タバタ式トレーニング (有酸素運動もやりたい人のみ)

具体的な毎週のプログラム

個別のトレーニングの具体的な方法は上記2冊の本に詳細に纏まっているが、主題としている「運動不足解消とメンタル安定化」の目的で具体的に日々何をすれば良いか。
これからやる場合のおすすめ内容

* 月:プッシュアップ
* 火:スクワット
* 水:レッグレイズ
* 木:プッシュアップ
* 金:スクワット
* 土:レッグレイズ
* 日:休息日

「疲れを蓄積させないよう連続して同じ部位をやらない」「できるだけ毎日取り組むことで習慣化のしやすさと不安低減というメリットを多く享受したい」「最初に覚えることを減らし、またトレーニングの進歩を感じやすくする」といった理由からまずは腕、腹部、脚の3つに取り組むのがお勧め。上記に加えて有酸素運動もやりたい場合は、筋トレの代わりにタバタ式トレーニングを週に1~2回やる。例えば以下のようにする:

* 月:プッシュアップ
* 火:スクワット
* 水:タバタ
* 木:休息日
* 金:レッグレイズ
* 土:タバタ
* 日:休息日

ただタバタ式トレーニングはかなり負荷が高いので、普段あまり運動していない状態ですぐに始めるとキツすぎるかもしれない。まずは筋トレのみから始め、ある程度運動習慣がついた上で取り組むことをお勧めする。

参考:@yaotti のいまのプログラム

* 月:プルアップ
* 火:レッグレイズ
* 水:タバタ
* 木:プッシュアップ
* 金:スクワット
* 土:タバタ
* 日:休息日

上記に加えて、ウォームアップとしてプリズナートレーニング続編に書かれているトリフェクタというストレッチ(ブリッジなど)をやっているが、それを含めても30分程度で終了する。1年ほど続けており、現在は各種目でプリズナートレーニングにあるStep 5~6ぐらいに取り組んでいる。
なお上記以外の運動は特にしていないが、身体のコンディションは現在が一番良い。一日30分の投資としては非常にコスパが良い。

継続し習慣化するためのポイント

トレーニングに限らず新しいことを定着させるにはエネルギーがいるため、そのエネルギーをできるだけ減らせるような工夫をいくつか紹介する。

(上は習慣化系で一番おすすめの本)

習慣化は環境作りが一番大事
習慣は「意識の判断を必要とせず無意識にできる行動」なので、自然に取り組めるような環境や何も考えずに従える自分ルールを作ることがまず大事となる。
自分の場合は「何も考えずに朝起きてすぐ(正確には瞑想した後)に運動する」とすることで他の予定や自分の気分といった影響を受けづらくしている。なお朝にやると定着化のしやすさに加えて、その日一日気分良く過ごせるというメリットもあるので朝がお勧め。
また「今日はやる日だったかどうか」を考えさせるのも良くないので、週に1~2日よりもほぼ毎日やる方が定着しやすい。やる日をたまに作るのではなく、やらない日を特別にする。

気持ちの良い体験に設計する
人間の脳は快を求めて不快を避けるので、トレーニングと快の感じられる行動をセットにするとトレーニング自体へ快の感情を抱き、取り組みやすくなる。
例えばトレーニング中には専用の好きな音楽を聞く(僕のBGMは[IRON SPIRIT](http://www.hannya.jp/news/release/ironspirit.html))、終わった後にシャワーを浴びてスッキリする、チョコレートやコーヒーなど自分にとって嬉しいものをご褒美にする、など。
また少しであれ成長している実感も良い報酬になる。自分はKindleの読書メモ機能で、プリズナートレーニングのやったトレーニングの部分に日付と回数、感じたことをメモしている。前回よりも1回でも多くできるようになると嬉しい。

合わせて面倒くささを可能な限り減らす。自分の場合は朝なこともあり、着替えるのも面倒なのでパジャマのままトレーニングしている。自宅ならわざわざトレーニングウェアに着替える必要もなくて楽。

「定着させるための行動」と「成果を得るための行動」を分けて考える
「習慣化させつつ成果も得る」というのはハードルが高いので、「習慣化するフェイズ」と「成果を得るフェイズ」を分けて考える。始めた時にいきなり「毎日腕立て伏せを30回やるぞ」のように両方を取りに行くと「習慣化」「トレーニング自体」の両方にエネルギーが必要となり疲れすぎる。最初は習慣化に注力し、トレーニング自体は負荷を低くし頑張りすぎないようにする。
具体的には「今日はしんどい、やりたくない」という日でも、腕立て伏せ1回だけでもやると「毎日している行動である」という認識が強化される。また行動することで興奮が生まれ、さらに続けようという気持ちが生まれる。まずは定着させることにエネルギーを使い、成果はその次と考えて取り組むと良い。

なお上にあげたプリズナートレーニングでも最初のハードルは低く設定されている。例えば最初の腕立て伏せは壁を使って10回1セットのみであり、頑張らなくてもやり切れる難易度設定になっている。
http://books.cccmh.co.jp/prisoner-training/part2_01.html

画像1

自宅トレーニングで体感しているメリット

1年ほど自重トレーニング(つまりほぼ毎朝体を動かす生活)を続けて、感じているメリットは以下:

* 前向きに過ごせる時間が増えた
  * 上記の研究にある通り、シンプルに脳内物質によって気分がリセットされている。全くネガティブな気分にならないわけではないが、かなり低減されている
* 体を動かしやすくなった
  * 自分の体をよりスムーズに扱えている感覚がある。ジムに通っている時は体を痛めることはあれど動かしやすいという感覚はなかった
* 人間として自然な強さを得られている気がする
  * プリズナートレーニングにある自重トレーニングの方法は日常生活での体の動かし方に近いので、動物としてのレベル上げをしている気分になる。人間をきわめろ。


何をやるにもメンタルがとにかく基礎

自分は個人的な関心からうつ病や双極性障害といった疾患に関する本を多く読み、精神疾患を発症することの大変さを(自身の直接的な体験を通してではないものの)強く感じている。そして昨今の状況を受けると今後多くの人が精神的な苦痛を感じるシーンが増え、不眠やうつ病などに苦しむ人が増えることを危惧している。
そのため精神疾患予防、また日々充実した生活を送るためのルーチンとしての運動に取り組む人が今後増え、辛い思いをする人を減らせればと思いこの記事をまとめた。もしこの記事に関して疑問点などあれば可能な限りサポートしたいので、記事へのコメントやTwitter DMなどで連絡してほしい。

より踏み込んで「今すぐにやりたいのでサポートしてほしい」という人はこちらでも募集しているので興味があれば応募してほしい。会社や事業としてではなく個人としての取り組みなのでできることに限度はあるものの、一人でも多くの人がこの難局でも前向きに過ごせるようにしたい、何かしら貢献できればと思っている。


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個人の習慣づくりを支援する Coachat という会社の社長です。京都大学で情報工学を専攻→卒業後に Increments(@Qiita) を創業→エイチームグループ入り→Coachat 創業。コーヒーとIPAのビールが好きです ☕️🍻

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