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【短歌】 梅雨の晴れ間に 其の壱

「不要不急の外出」

いつもより
早くに目覚め
支度する
私の自由
日が暮れるまで

久々に
ファンデーション
ベニをさす
その半分は
マスクで覆う

空間を
空けて腰掛け
スマホ見る
病がつくる
人との距離

乗り換えの
わずかな時間
足早に
眺めて歩く
デパートの中

華やかな
洋服ならぶ
売り場にて
鏡に映る
五十路のわたし

若き日に
着るべきだった
ワンピース
時を逸した
淡き花柄

あとがき

 雨降りの土曜日です。しばらくnotoでの短歌は休憩しようと思っていましたが、慌ただしい雑事に追われていたので、なかなか腰を押し付けて文章に取り組めませんでした。

「ーをしなければならない」この言葉は、自身の首を絞め、生き苦しくさせます。そもそもnotoの空間は私の落書き帳なので、好きなように書いてみようと思いました。

 私の場合、永遠に続くであろう子育て、知的障害の息子にイライラすることも多々あります。そんなある日、梅雨の晴れ間に電車に飛び乗り出かけてみました。

 久しぶりに電車に揺られながら、障害者と暮らす無職の私ではなく、もう1人の私の住む世界を想像し短歌を詠みました。


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