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世が世なら姫様でした。

子どもの頃、私は親から「世が世ならお姫さんだった。」と育ちました。どうして姫の家は、貧乏なのか不思議でしたが、それでも姫なのだと思っていました。

ある日、先祖を調べてみようと思い立ち、戸籍を取り寄せたり、博物館に質問をしてみたところ、殿ではなく、家老でもなく・・・殿の近くに住む高級武士でもありませんでした。

それどころか極貧の貧乏藩で、明治維新を前に倒産したようです。そこで先祖はブチギレて新田開墾をしに行っり、空襲で焼かれたり、結果的に戦後に土地は手放すことになったとか・・・とことん貧乏だったみたいです。

結果的に「お姫様」でもなんでもなく、単なる貧乏な下級武士だったのです。

先日、短大の卒業式以来、同級生と再会し歴史の話に盛り上がっていました。実は在学中、一言も話をしたことがない人でした。鉄板の貧乏姫のネタを披露していたら

「そうそう私も姫よ。一緒よ。」と彼女はするりと言いました。

聞けば、ご先祖は上杉謙信に痛い目にあったそうです。よくよく聞いたら、城の名前が苗字と同じでした。

ものすごい名家で、世が世なら本物の「お姫様」やん!?

「とどのつまり、今は2人ともただのオバちゃんやん!」と友人はゲラゲラ笑いします。令和の姫は誠に豪快でした。そんなわけで30うん年ぶりに再会した同級生と盛り上がっていました。

「在学中に話をすることが出来てたら、もっと楽しかったかもしれないね。」 「でも50歳を過ぎて再会できたのは、ついに機は熟したということだろう。これから宜しく!」

再会を喜び、新たな友人として出会えたことを喜び合いました。

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